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欠陥になり易い部分−1:敷地、地盤、基礎
INDEX
● 1. 敷地、地盤、基礎
☆敷地:
☆地盤:
☆基礎:
☆布基礎が土台をダメにする:
● 2.土台、柱・梁、筋違、小屋組
● 3:外壁、屋根、窓・玄関、バルコニー、樋、断熱材
● 欠陥になり易い部分
私は裁判所の鑑定などもやっており、様々な欠陥住宅を見てきました。
住宅の欠陥はほとんどの場合施工業者に問題があります。
しかし、品確法では、建て主に対する選択の責任も付け加えているのです。
車に乗る場合、パンクの時のタイヤの交換やオイルのチェックも出来ないような
人も乗っていますが、故障になった場合は、道路で修理者の来るのをじっと待って
いる状態になってしまいます。多少の知識と出来ることは自分でとの考えを持てば、
ほとんどの故障は避けられますし簡単な修理も出来ます。
住宅の場合も、ある程度の知識と自分の考えを持てば、沢山の部分で欠陥を
回避出来ます。
主な欠陥になりやすい部分について項目別に記載しますので参考にして下さい。
● 1. 敷地・地盤・基礎
☆敷地:
敷地に関しての主な欠陥は日照、出水、都市計画、公害、騒音等です。
★日照に関しては、方位を調べ道路や公園、水路等の場所を把握することです。
南側にこれらの施設があると日照には有利ですが、水路は避けたいものです。
都市の住宅の敷地では、敷地内で十分な日照を確保するのは困難に
なっています。
敷地を購入する前に、どの程度の日照(時間や時期:冬の午前2時間等)
で満足出来るかを考え、最低限の日照を決めておくと敷地は選びやすく
なります。
★出水に関しては、敷地の古い時代の土地の形状や種類を調べます。
敷地の地元の図書館で、敷地の古い年代の地図を見せてもらい、その敷地が
以前はどんな土地だったか調べてみるのが早道です。
その土地が、湿地、沼地、斜面、埋め立て地、河川等の場合は避けるのが
賢明です。
その土地の近くの戸籍も見てみましょう。
出水や川、谷などの水に纏わる地名が近くにある場所は、要注意です。
★都市計画に関しては、地元の区役所や市役所、町役場に行き用途地域を聞いて
下さい。
その土地が建物を建てられる土地か、どの程度の規模まで建築可能か等の
規制を教えてくれます。
都市計画道路も教えてくれます。
都市計画道路は地図に線が引かれているだけですが、何年後かには道路として
買収される部分ですので、十分に注意する必要があります。
都市計画道路で事業決定されている部分は建物が建ちません、事業決定が
されていない部分は、木造等の簡易な2階建てまでは建ちますが、何れは
解体し売却しなければならない土地ですので、避けたいものです。
但し、敷地が広く都市計画道路部分がじゃまにならなければ、将来
広い道路に面する敷地となりますので、メリットとも考えられます。
★公害は、幹線道路の側やゴミ焼却場の近く、他に高圧線の下等が考えられます。
他に工場等の側もありますが、これは常識でしょう。
★騒音に関しても、幹線道路や、線路敷の側に目立ちますが、学校や公園等も
騒音の被害が出ることがしばしばあります。
☆地盤:
地盤に関する欠陥は、地耐力と不等沈下の問題がほとんどです。
(不等沈下)建物の地盤が他の部分より耐力が無く、部分的に又は
局部的に沈み込み、建物全体を傾かせる地盤の沈下。
★不等沈下は、敷地の地耐力の違いや建物のバランスの悪さ(重さの偏り)等が
主な原因です。
敷地が傾斜地にあり、切土と盛り土の部分があったり、昔田圃で造成が
いい加減であったり、擁壁の強度が低く建物の荷重に耐えられない等の
原因で起こることが良くあります。
傾斜地を敷地とする場合には、造成工事等をよく確かめ、多少費用が
かかっても、その土地に見合った、杭を打つ等の工事をすることが必要です。
★地耐力:
地耐力は、建物の荷重を地盤が支えられるかの基本ですので、必ず調査し
てもらうようにしましょう。
普通の地盤ならば、簡易な地耐力調査方法として、住宅金融公庫も推薦して
いるスウエーデン式サウンディングとの調査方法があります。
少し弱そうな地盤の場合は、載荷試験と言うより精度を高めた、地盤の調査
方法があります。
建物や地盤によって、どのような方法を選ぶか相談しながら、決めましょう。
地盤はその敷地に建物を造る際の基本の条件です。今後は敷地の価値の
決め手の一つにもなりますので、敷地を売買する際や建物を造る際には必ず
敷地の持ち主が調査し、調査書を持っている必要があります。
☆基礎:
基礎の欠陥は地盤がらみのことが多く、地盤と切り離せません。
★基礎の種類
基礎の種類には、布基礎、ベタ基礎、基礎杭による構造の3種類があります。
布基礎は地耐力3t/u以上、ベタ基礎では2t/u以上、
基礎杭による構造の場合は2t/u以下でも可能です。
地盤の調査をして、地耐力に合わせた基礎の設計をしてあれば、ほとんど
問題はありません。
基礎の欠落部分である、床下換気口の開口部に斜めの補強筋を入れずに、
開口部の角から、ひび割れが生じ基礎の耐力を弱らす開口部は、要注意です。
★基礎の問題点
強度では上記の参照が必要ですが、床下の結露により、床下が湿潤状態に
なり、シロアリや腐朽菌による土台の耐力低下が問題になっています。
農薬や防腐剤の塗布により、シロアリや腐朽菌の害から建物を守る方法が
現在は一般的ですが、シックハウスの素を振りまいていることにもなります。
近頃のアトピー性皮膚炎や花粉症の増加は、これらの薬剤やその他の建材
に含まれている、化学物質が原因との報告もあります。
床下や土台、柱などに撒かれる化学物質は、住宅に撒かれる化学物質の
中でも、最も量の多い化学物質だと言えます。
☆布基礎が土台をダメにする。
布基礎は戦後の住宅の強度を増すために、大いに貢献しました。
しかし、住宅の精度が良くなり、すきま風が無くなると、床下の換気は
極端に悪くなり、夏は湿った暖かい外気が床下に入ってきた時点で、床下の
地面の温度が低いため、土台部分で結露することになります。
冬の方が外気は乾燥していますのでまだ良いのですが、室内の暖気が
漏れた床下では、やはり結露を起こすことになります。
この、結露と化学物質を防ぐ方法として、基礎をベタ基礎にし床下換気口を
付けずに、室内の空気を床下に送り室内と同じレベルで床下の換気をする
換気方法があります。
この方法ですと、床下に防蟻、防腐用の化学物質の薬剤を使わずに
済みますし、構造部材の換気も同時に可能になるため、住宅の耐久性を
飛躍的に高めることが出来ます。
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