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住宅の第三者検査

INDEX
● プロフィール
● 建築・法律の協力関係事務所
● 住宅の欠陥になり易い例
● 業務内容
● 第三者検査機関の必要性
● アメリカの住宅事情
● 日本の実状
● 第三者検査機関の設立主旨
● 第三者検査機関の根拠
● 費用
● その他



● 住宅の第三者検査

 品確法が施工され、基本構造部分の保証が10年間になりました。
しかし、住宅の施工業者の多くはまだ従来と同様の感覚で施工をし、
施工不良事故は、戸建て住宅着工件数の10%を超えています。

 住宅の施工中に第三者の検査を受けて、欠陥住宅から住まいを守りましょう。
欠陥住宅を持ってしまった場合、たとえ施工業者に問題があっても、
建て主の負担は心、金共に大変なものになります。

 第三者の検査を取り入れて、気持ちの良い住まいにしましょう。


● 業務内容
 施工期間中に5回の現場の検査を行い、チェックシートにしたがい地盤、構造材の確認と防水関係の検査を行います。この部分は、品確法で10年の保証を義務付けられた部分です。
 また、設備・電気機器及び仕上げ材のアドバイスや化学物質、農薬汚染を避ける為のアドバイスも致します。

原則として5回の検査には建て主と同行し一緒に検査をします。
詳細は下の表をご覧下さい。


1.根切り時の確認a.根切りをした時点で地盤の確認をします。
  地盤調査を行った場合、データーと現地の確認
  地盤調査が無い場合、現地の確認(修正指示可能性大)
b.工事工程の確認
  期間と概ねの全体工程表の確認
2.基礎コンクリート打設前c.基礎の確認
  基礎寸法のチェック、アンカーボルトの位置チェック
  配筋及び換気孔の位置のチェック
d.建物の位置の確認
  図面の位置にほぼ合っているかのチェック
3.屋根及び筋交い等施工時確認e.柱・梁・土台等の構造材の確認
  柱・梁・土台等の構造材の寸法、位置、取付等のチェック
f.筋交い、火打ち土台、火打ち梁等構造材のチェック
g.屋根防水のチェックと危険箇所の指摘
h.外部仕上げ材の防水のチェックやアドバイス
i.構造材の防腐処理のアドバイス
  防腐・防蟻処理はなるべく薬剤処理をしない仕様推奨
j.今後の工程の確認
4.内装材着工以前の確認k.断熱材の確認
l.スイッチ、コンセント等のアドバイス
m.設備、電気機器のアドバイス
n.建具等のアドバイス
o.工事の進捗状況の確認
p.仕上げ材の確認及びアドバイス
  化学物質や農薬のなるべく少ない材料の提案
5.施主竣工検査の立会q.仕上げ材の大まかなチェック
  仕上げ材は誰でも見える部分の為ざっとです
r.建具の大まかなチェック
s.設備、電気等の大まかなチェック
t.主要室のホルムアルデヒドの書類等によるチェック
u.その他必要事項のアドバイス


● 第三者検査機関の必要性

 最近は住宅が、車のように選んで買われるようになってきた気がします。
しかし、車と違うところは敷地が必要なことです。場所が限定されることです。
どんなにプレハブ化が進んでも、現場で建てなければ出来ない部分は残ります。
また、敷地のある地域の地盤や気候、廻りの環境はそれぞれ違います。
プレハブ住宅でさえ建て主の好みや環境によって、種類を沢山増やす傾向にあります。
現場での生産部分が多く残るため、個人の技能と知識と感覚に頼らなければ出来上がらないのが「建築」なのです。

 「建」には「たてる」との意味と「定める」とか「成し遂げる」の意味があります。
定められた場所に、真っ直ぐに建てることが住まいを建築することなのです。
 また、「築」には「きずく」、「つきかためる」、「きね」などの意味があり、杵によって大地を強く付き固めることを示しています。
建築は大地に根ざしたモノで、本来は商品としての売り買いには適さないモノなのです。
建築は買うモノではなく、余裕のある人が勉強して道楽で、又は経済活動として建てるモノだったのです。

 よく、3回建てないと満足出来る家は出来ないと言われています。
これは、何度も建築の施工過程と完成品をよく見て実際の勉強をしないと、満足のゆく家は造れないとの言い伝えです。
しかし、現代に於いてはそのような余裕のある人は希にしか居ません。
この言い伝えは戦前までのお大尽が大工さんを使って貸家を建て、一般の人は借りることが前提で伝わっていたのです。

 現代の我が国では、ほとんどの人が家を造れる環境になって来ました。
30年ほど前までは、町の大工さんに頼んで家を造ってもらっていましたので、信頼出来ましたし、建築のことを知らなくても現場に顔を出すことによって、わからないことは教えてくれました。

しかし、町の大工さんとの認識が薄くなり、ハウスメーカーやゼネコン等の系列に町の大工さんが組み込まれることで、気楽に頼める町の大工さんは、ほとんどいなくなってしまったのです。
したがって、ハウスメーカーやゼネコンなどに家を造ってもらうことになりました。

このため、大工さんや職人達に支払われる費用が安くなり、余裕をもって施工を出来なくなったのです。
この余裕の無さが、欠陥住宅や不良住宅を生み出すのですが、それを防ぐには家を建てる人が自分で、建物について学び、不良個所をチェックする必要があります。
しかし、自分で学んでチェックをしながら家を建てることは、とても大変なことです。

普通の人が住まいを建てるときには、興味があるところは勉強したり考えたり検査したりしますが、それ以外の部分は施工業者に任せてしまいます。
この興味のあるところだけを強調して相手に伝えることも、その部分だけ費用が嵩みバランスを欠くことにより、欠陥住宅を生み出す原因の一つとなることもあります。
さらに、建築の施工は複雑でさまざまな工法があり、設計図に載っていない部分も沢山あります。
多少の学習では、工事中に問題部分の発見や、検査は不可能と言っても良いでしょう。

 そこで、私どもは住まい造りに積極的に関わりながら、住まいを造りたい人を支援することにしました。経験豊かな専門家があなたと共に、検査をし、アドバイスをし、トラブルが起きないように監視の目を光らせるのが、
この第三者検査機関設立の理由なのです。


● アメリカの住宅事情
 アメリカの住宅事情は、個人の住宅の勉強から始まります。
家族が日曜大工で家のメンテナンスをし、家の価値を維持します。
この日曜大工で子供は手伝いをしながら家のことを実地訓練として覚え込みます。

 但し、個人的にメンテナンス可能な部分に関してであり、建築全般的について学ぶわけではありません。
建築全般的なことに関しては、建て主が個別に公的に認められた第三者機関に頼み、建造期間中に何度か検査をしてもらうシステムになっています。

 アメリカで住宅を建てる場合、多くは既製のホームプラン集で建てます。
既製のホームプラン集の中から気に入った住宅を選び、その住宅図面を取り寄せます。
その住宅で必要とする建築材料一覧や見積明細書も取り寄せることが出来ます。
両方合わせても10万円前後で手に入れることが出来ます。
この図面類をホームビルダー(現場監督的な役割をする独立の事業者)に渡し
ホームビルダーに実際の見積をしてもらい、合意すれば着工と言う段取りになります。

 この様な図面類の使用は、1回限りと著作権で決められています。
ほとんど既製の住宅ですので、見積等の不明確さもありませんし、地域に密着したホームビルダーや職人達なので、手抜きの心配もありません。
地域密着型の施工体制がとられている為、日本のようなハウスメーカーはありません。
したがって、営業経費や下請けに丸投げ(日本のハウスメーカー等はほとんどが営業部門のみで施工は系列の工務店に丸投げしています。)と言うこともありませんので、特殊な住宅を造らない限り欠陥住宅が問題になることはほとんどありません。
図面が買える、地域のビルダーや職人の施工、第三者の検査、日曜大工で維持、これらの方法が、建築を学びながら住宅を建て、住宅の価値も維持していく合理的な方法なのです。


● 日本の実状
 日本に於いては、一般にお店で買える図面はありませんし、地域のビルダーとしての町の工務店はハウスメーカーの系列下に入っている工務店が多く、町の大工さんとしての密着度が薄れてしまいました。

 最近出来た品確法により、性能評価機関と言う第三者の検査機関が出来ました。
 この性能評価機関は設計時点から、評価建物として検査をお願いしなくてはいけませんので、施工時のみに気楽に、第三者検査を頼める機関ではありません。
 設計時点で既に、自分の必要な性能を把握しておき、設計に盛り込んでもらい、性能評価機関に設計時点での評価を受け、さらに施工完了時点での評価を受ける方式です。
 また、施工中に変更が出ると、設計評価の部分からやり直しになります。
 時間の面、費用の面等の制約がある場合、あまり気楽にお願いできる機関とは言い難いのが住宅の性能評価機関と言えます。

 日曜大工によるメンテナンスも、価値の維持や上昇が無いため、趣味による楽しみでしかありません。
 したがって、日本で一般の人が独自に学んで住まいを造るのは、容易なことではありません。
 特にハウスメーカーやプレハブメーカーが寡占状態でしのぎを削っている現状では、モデルハウスを見たあとは、興味のあるところだけ相談に乗ってもらい、それ以外はおまかせ状態で、時間に追われてあっと言う間に出来上がると、欠陥住宅とのことがよくあります。


● 第三者検査機関の設立主旨
 そこで、住まいを建築工事と一緒になって造って行きたいと思っている皆様を支援するために 私共の経験を生かして、
住宅施工時の「第三者検査機関」の設立を致しました。

*第三者検査機関のメリット*
1.設計施工で頼んだハウスメーカーやプレハブメーカー、工務店が勝手に造るのを防げる。
2.経験豊かな専門家が必要な時期に検査に来るので、施工業者の気構えが変わり、ミスが減る。
3.手抜きや不良工事などが起こりやすい、解りずらい部分の検査をしてもらえる。
4.メーカーや工務店サイドからの話が不安な場合、専門家に本音の部分が聞ける。
5.図面や施工の中で、不安な点や解らない点について気楽に聞くことが出来る。
6.施工中のアドバイスをしてもらえる。
7.独自のコンサルタントを手に入れたと同じ効果が見込める。
8.役所の検査とは別に、構造的に大事な部分や気がつかない部分の検査をしてもらえる。
(役所の検査は確認申請図面と位置と大きさがほぼ合っているか、防災的な部分は問題ないか、を主に検査に来るだけで、時間もかけませんし、詳細な検査はしません。住宅でも中間検査で構造部分を検査に来ることもありますが、以前でも公庫融資の住宅の場合は中間検査をしていました。この検査は改善指示等を出しても、写真や書類での確認のため、結局は工務店か監理者に任されているのが実状です。)



● 第三者検査機関の根拠
 法律的な裏付はありませんが、複数の目で検査することがプラスとの考え方から出発しています。
設計施工で注文をした場合には、建て主の味方としての専門家は居ません。
メーカーや工務店だけではお手盛りになる危険が高いので、責任体制の明確化をする必要があります。

 経験豊かな専門家が検査しますので、目が行き届きます。
法律的な裏付はありませんのが、建て主が、第三者の検査が必要だと考えれば、任意の第三者機関に検査やアドバイスを頼むのは、何の問題もありません。
ハウスメーカーや工務店サイドでは無駄金です、工期がありません、うちは「しっかりしている」から必要ありませんなどと言うでしょう、そのようなハウスメーカーや工務店ほど危ないものです。
 断りの手段として、「設計施工ですので、第三者検査機関は入れられない契約になっています。」と言うところもあるかも知れません。しかし、そのようなことが契約書に書かれていることはまずありませんし、拒否の項目があるようなハウスメーカーほど信用出来ないところはありません。

 誰でも、自分たちだけで、やりやすいようにやりたいものです。
第三者などと言う、わけが分からない他人が入ってくるのを嫌います。
しかし、図面通りに施工をしているのであれば、第三者の目はうっかりミスや惰性によるミスをカバーしてくれるので、感謝をされる存在になります。

 複数の目で検査することで、後でミスが発見される部分が減り、結局はメリットに繋がります。
建て主にとっても、ミスが後で発見され、修理のため不便をしたり、埃になったり、下手すれば2、3日ホテル住まいや本当に欠陥住宅になり途方に暮れるなどと言うこともあり、その要因を大いに減らすことが出来ます。

積極的に「どうぞ第三者検査をお願いします。」と言うようなところは、問題が起きる可能性が少ないものです。

 住宅は高い買い物ですので、安全弁を幾つか設けておいた方が安心が出来ます。
このような機関があり検査が受けられると、ぶつけてみるだけでも価値があります。
実際に検査を依頼すれば、安心が一層増します。
保険の一種だと考えて戴ければ解りやすいと思います。


● 費用
  「第三者検査」の費用は建て主がお支払い下さい。独立した検査を行う為です。
 金額は施工費用の1.5%とします。
 但し、200,000円以下の場合は200,000円とします。
 交通費、消費税及び特殊な機材を使う検査等は別途となります。
  最初に金額を決定し契約を結びます。契約金額決定以後原則として増減は致しません。

 欠陥調査は1日1人で5万円、交通費、消費税及び特殊な機材を使う検査等は別途です。調査書の作成は欠陥の状況に応じて別の費用が必要になります。

● その他
  1.図面類は施工会社から余部を一部と確認申請書のコピーを提供して下さい。
  2.確認申請書の図面と施工時の図面が違う場合は確認申請書の図面のコピーも提供して下さい。
  3.地盤調査書も調査時点前までに提供して下さい。(原則として調査はして下さい)
  4.住宅建築の契約書もコピーを提供して下さい。
  5.その他必要書類等の提供をお願いすることがあります。
  6.再度記述しますが、この「住宅の第三者検査」は、法的なものではありません。
    (善良な建て主が、建築を知らないために被害に遭うことがないようサポートするサービスプログラムです。)
  7.ぜひ必要だと思われる方だけにして下さい。
  8.気楽に頼める施工中の保険だとお考え下さい。

  注)ここまでお読み戴いた方は、関心を持っていただいた方だと思います。より関心を持っていただいた方に、「自から撮影する、撮影検査マニアル」のサンプルを差し上げます。
下記よりダウンロードして下さい。(pdfファイル)
Lzhで圧縮してありますので、解凍してください。「Adobe Acrobat Reader」や「Lhaca」等のソフトは必要です、杜の窓等のサイトでD.L.してください) 



撮影検査マニアル(サンプル)・ダウンロードサイト(win)


APSS・住まい研究所(第三者検査機関)
菊池聖史
渋谷区道玄坂1-17-9-301
apssk@ro.bekkoame.ne.jp
TEL&FAX  03-3770-0267

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