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[住まいにやすらぎの力はあるのか!・9905]隔週土曜発行
発行部数1100     
          離婚や家族崩壊の原因を住まいから考えるメールマガジン
991129発
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朽木醒(くちきあきら)です。
♀♂∴∞[住まいにやすらぎの力はあるのか!] 第5回目です。

 メールありがとうございます。
皆様からのメールには、住まいによって家族がおかしくなった話や、
子供のころの住まいが過ごし易く無かったことなど、悪かった面が多く書かれています。
 悪いことがある場合は、人は原因をどこかに求めますが、良い状況の場合は、
原因の追究はしないのが普通です。
 したがって、住まいによって家族が楽しく過ごしている場合は、住まいが良いからとは
思っていませんし、考えないのが普通です。
 家族の良い関係が住まいに起因している場合もありますので、
もう一度考えてみるのも良いでしょう。

 さて、今回の本題に入ります。
B中間的な住まいとB中間的な住まいに育った人の組み合わせについて
話を進めて行きたいと思います。

C.中間的な住まいに育た人同士

 現在一番多い割合で存在するのがこのタイプの組み合わせです。
このタイプの組み合わせでは、お互いに自分の育った環境に、問題意識や良さを
感じているとの、確かな意識がありません。
 したがって、住まいが影響を与えるとの思いはほとんど働きません。
 ほとんどの人が、便利さや楽しさ、または誇らしさを求めて住まいを造ることになります。
さらに、開放的な住まいや閉鎖的な住まいの良さや問題点を、理解してはいますが、
心の中にしみ込んでいる「住まい」に住んでいたのではありません。
 実感として感じていないのです。良きにつけ悪しきにつけ、
実感が伴うのは理性的な理解ではなく、感覚的な五感にうったえかける力に
因ることが大きいと思います。
 開放的な住まいや閉鎖的な住まいには、この感覚的な五感にうったえかける
力がありますが、中間的な住まいには、ほとんど感じられません。
 このことが、住まいを感じさせない空間と規定した最大の理由です。
住まいを感じさせない空間とは、なにやらとても良さそうな表現であり、
夫婦の間でもお互いを意識せずに過ごせる関係を、空気のような存在などと
肯定的に表現しますが、人との関係と違い人のための器は、逆に感じられる空間と
することによって、住む人に語りかけることになります。
 語らない「器」に語らすことは、住む人に何かを訴え、パートナーの存在や
家族のことを考えさせるようになるものなのです。
 家族の不和や夫婦の危機が、この住まいを感じさせない空間に住むことによって、
原因の一つになっていると言っても良いでしょう。

 この問題意識のない空間に育った者同士の組み合わせですので、
より一層利便性や合理性、楽しさ、または誇らしさを求めることになりますし、
さらには、普遍性(夫婦は1つの寝室でよいなど、不動産産業の一見常識的に良いと
される間取り)のある空間を、何の考えも持たずに受け入れる傾向にあります。
 その、あげくお互いの我が儘が噴出してくることになるのです。
 住まいが、大きくても小さくても、住んでいる時に何かのプレッシャーを感じ取れることが、
人と住まいを繋ぐ架け橋となります。
そのプレッシャーを感じ取ることが出来ない住まいに育ったわけですので、
住まいに対する考えを持つこための練習(無意識の内に感じる住まいに対する疑問)
ができるはすもありません。
 多くの人が、この状況ですので、難しいことですが、
出来るだけ住まいから影響を受ける
「住まい」にすることが、このタイプの組合せに適しています。

 今マスコミでもてはやされている建築家安藤忠雄が、
住吉の長屋を20年以上前に造りましたが、この住宅は正に住み手が「住まいと戦う住宅」
なのです。
 プランは「住まい」を2つに分離し、
真ん中に屋外空間の中庭を配した間取りになっています。
 右と左に機能が分離されているため、
食堂から居間に行くのにいったん屋外の中庭を通らなければなりません。
 2階の寝室からトイレに行くのにも、
やはり屋外の中庭の階段を下り1階食堂奥のトイレまで歩かねばなりません。
 この住宅は極端な例ですが、
小さな敷地において、家族が中庭を所持することは大変な努力が必要なことを、
訴えかけてきます。
 その訴えかけが、家族になぜこの中庭が必要であり、
どの様に役に立っているかをいつも考えさせ、
 さらに家族それぞれのお互いの必要性や、重要性を考えるきっかけを与えているのです。

 上記の例は、本当に極端な例です。
ここまでやると、普段の生活にとって負担の方が多くなり、「語りかける住まい」としては
問題が大きくなりすぎるかも知れません。
 そこまで、極端に分かり易い住まいの間取りでなくとも、
「各室の間仕切りを半透明の扉にする」、
「室内側に窓を付けて感じられる空間にする」などの、
仕掛けで家族にざまざまなことを訴えかけることが出来ます。

 住み手の生活に、それほど負担にならない仕掛けを用意し、
何かのときにその仕掛けに触発されるような、空間にしておくことが、
家族を意識することになりますし、考えることになるのです。

 人によって、考えていること興味があることなど違いがありますので、
用意する仕掛けも住まいや、家族によって違ってきて当然ですし、
その違いを考えることで、その家族に合った個性的空間を造ることが出来るのです。
 
 今回の中間的な住まいに育た人同士についての話はこのぐらいにしておきますが、
それぞれの住まいに育った人の割合と、その組合せの可能性を以下に表記します。
(このデーターは私の関係している住まいのアンケート調査からのものです。)

家族と住まいのアンケート調査より
開放的な住まいに育った人・・・16%
中間層な住まいに育った人・・・63%
閉鎖的な住まいに育った人・・・21%
上記が、それぞれの住まいに育った割合です。

この調査結果より、それぞれ育ちの違いの組合せの可能性を
パーセンテージで出してみますと以下のようになります。
A.開放的な住まいに育た人同士−−−−−−−−−−−−2%
B.閉鎖的な住まいに育た人同士−−−−−−−−−−−−3%
C.中間的な住まいに育た人同士−−−−−−−−−−−41% 
D.開放的な住まいに育た人と閉鎖的な住まいに育た人−−−6%
E.開放的な住まいに育た人と中間的な住まいに育た人−−27%
F.閉鎖的な住まいに育た人と中間的な住まいに育た人−−21%

今回は、上記組合せの内「C.中間的な住まいに育た人同士」まで、話を進めてきました。
今後、D、E、Fと進めていきますが、Fまで話を進めた後に、
皆様にも参加をしていただこうかと考えております。
その折には宜しくお願い致します。




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