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☆☆☆         【自分で防ぐ欠陥住宅】☆☆☆
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APSS設計事務所  菊池 です。


74・☆「住まい」の中でカビの多い部分は☆


 読み物としても、役に立つものとしてお送りしています。


 宜しくお願い申し上げます。

欠陥住宅の警告だけなら他のHPで済みます。どの様にして欠陥になるのか、
またどうしたら失敗せずに「住まい」を造れるか、
も掲載しています。


 ◇地球環境に貢献する「住まい」を考えていますか?◇
http://www.apssk.com/meru/kekanmm35.html#A


 自分で「住まい」造りを考えるための知識を、
メールマガジン(MM)としてお送りしています。
 「住まい」造りに役に立つMMですので、楽しみながらお読み下さい。



前回までのメールマガジンをお読みになりたい方は下記からどうぞ。
◇メールマガジン目次http://www.apssk.com/kekanmeru00.html◇


74・☆「住まい」の中でカビの多い部分は☆

 換気とカビに関連して、「住まい」の中で何処にカビが発生しやすいかも、調査資料があるので、
資料に基づき話を進める。
 カビの発生しやすい部分は換気不足の部分と言えるが、結露しやすい部分ともいえる。

 前にも書いたように、カビは好乾性カビでも相対湿度範囲は、65%以上必要で、
それ以上がカビの繁殖領域であり、水分がどの程度あるかで、発生の多さが分かる。

 カビの生えやすい場所として、一般の認識は浴室、洗面所、トイレ、キッチンの水廻りと、
北側の部屋の北の壁のコーナーや北向きのサッシュと考えられているが、資料でもまったくその通りの結果がでている。

 特に夏の浴室トイレが多い。壁の上下では、上より下の方が多く、発生している。
春夏秋冬では、圧倒的に夏に多くなる。

 浴室は冬にカビが増えると書いてある書物も見かけるが、量的には圧倒的に夏で、
冬の三倍から四倍の量が観察されている。
 冬は水分が乾き難いため、カビが繁殖するが、タオルで拭取り、
換気扇を長時間廻しておくことで、カビを防ぐことが出来る。

 浴室が多いのは、お湯があり、比較的暖かい部屋のため、温度でもカビの繁殖領域になるからである。
 お湯を毎回捨てる家族では、お風呂のカビも減るが、入浴後の水滴の処理などが最も大切となる。

 冬は浴室と北側の部屋のコーナーが注意点になる。
 夏は何処でもカビ繁殖の可能性があり、春秋は浴室、洗面所、トイレと北側の部屋のコーナー部分が繁殖しやすい。

 コーナー部分は風の流れのウイークポイントになりやすく、湿度の高い状態になりやすいため、カビも繁殖しやすくなる。

 また、留守がちの家族の場合は、在宅している時に水分と熱を補給し、換気扇を廻さないと、
特にカビが繁殖しやすい。
 留守家族の場合、窓を開けて出かけることは防犯上の危険も有り不可能であることから、
吸気口と換気扇の関係をチェックし、24時間換気扇と吸気口の確保に努めると良い。

 特に、水廻り部分を中心に、換気扇による通気があるかチェックする必要がある。
 風の流れが分からない場合には、線香の煙などを用いると、分かりやすい。


☆住宅の床下の状況☆

 夏の東京の湿度は90%以上になることもあり、蒸し暑いものだが、床下はもっと湿度が高くなる。
 床下は外部より涼しいため、湿度の高い屋外気を自然換気に使っている住宅では、相対湿度は屋外より高くなり、
カビや腐朽菌の繁殖域として、最も繁殖し易い状況になる。

 この状況を実際に調べた資料がある。
 天井下、床上、床下でそれぞれ、カビ指数を調べている。
 カビ指数が高ければ、湿度が高く、カビが繁殖し易い、カビ指数が低ければ、湿度が低く、カビが繁殖し難い。

鎌倉の戸建住宅の、廊下での結果(数字はカビ指数)
6 月:天井下0、床上7、床下36
7 月:天井下0、床上7、床下52
8 月:天井下0、床上2、床下40
9 月:天井下0、床上2、床下36
10月:天井下0、床上0、床下7
(室内汚染とアレルギー・井上書院1999)

 一戸建ての普通に基礎に換気口がある住宅の床下は、6月の梅雨からカビがとても繁殖し易い、
湿った状態になっていることが判る。
 当然、床下は自然換気が換気口から行われている状態で、こんな状況になっている。

 前にも記したが、基礎の構造的強度を生かす、基礎パッキン工法では、風の通りがもう少し悪いので、
それ以下になる可能性が高い。

 この資料では、換気扇の変わりに床下乾燥機を設置して、床下カビ指数がどの程度低くなるかも計測している。

 床下乾燥機は床下換気扇とは違い、乾燥した空気を床下に送り込むタイプの機械で、劇的効果があった。


洗面所下(北側):カビ指数140(床下自然換気)→25(床下乾燥機設置後)(最も悪い)
食堂下(北側):カビ指数60(床下自然換気)→28(床下乾燥機設置後)
和室下(南側):カビ指数70(床下自然換気)→20(床下乾燥機設置後)
居間下(南側):カビ指数32(床下自然換気)→15(床下乾燥機設置後)
(室内汚染とアレルギー・井上書院1999)

 床下全てで、素晴らしい改善状況であった。

 換気扇ではここまで改善できないが、取り付ければ常時風の流れがあることで、
ある程度改善されることは確かである。

 以前から、普通の一戸建住宅の床下は、屋外気と地盤の熱と湿気、さらに屋内の空気が混じりあい、
夏も冬も「住まい」の中で最も湿度が高くなり、カビや腐朽菌の繁殖の温床になっていると指摘してきたが、
その裏付けデーターとも言える資料だ。

 普通の土台では、床下の湿気で結構傷んでいる場合が有り、大地震などの時に半壊や倒壊などの被害に遭うのである。

 これから建てる「住まい」の場合には、防湿シートの上にベタ基礎を造り、床下換気口は造らずに、
機械換気(床下乾燥機)を使えば、床下も湿気ず土台も傷まない。

 既存住宅では、床下乾燥機を使用することで床下を乾燥させることが出来る。
 床下乾燥機がない場合には、床下換気扇を常時使用することでも、まず問題はないと思うが、床下の湿気の強い場所や、
気温の低い地域では、床下に防湿シートを使い、その上にコンクリートを打ち、
床下も室内と同様に室内側での換気をするように設定すれば、土台廻りのカビや腐朽菌の繁殖はなくなり、劣化が防げる。
 床下に押入などの一部を利用し、除湿乾燥機を取り付けるのも、効果がある。


☆住宅内でのカビ防止ポイント☆

 カビを防止することは、結露の防止につながり、カビのない「住まい」は結露を起こさない「住まい」と言える。

 ○カビ発生の要素
一栄養分:食品、垢、フケ、室内のほとんどの建材、天然繊維もカビの栄養源になるので、「住まい」には無数にある。

二酸素:人も酸素で呼吸をするので、酸素を取り除くことはできない。
    食品の長期保存用のパッケージに、酸素吸収剤が入っているものは、酸素カットでカビの繁殖を防いでいる。

三温度:カビの生存温度は−10〜50℃(繁殖域20〜30℃)ですので、人とあまり変わらず、
    温度でカビを防止するのも難しい。

四湿度(水分):カビの繁殖域の相対湿度は、65%以上ですので、ここが狙い目だ。
        人が、相対湿度50〜60%で過ごせば、カビの繁殖域外で生活することになり、カビ防止になる。

  A)水分の除去:こぼした水や、使った水は、拭取って始末する。キッチンのシンクや洗面器、浴室の水は、
   きれいに洗い流し、その後拭取る。
   窓や壁に結露水が付く場合も拭取って乾かすと同時に原因追求し、原因の除去をする。

  B)換気による排出:キッチン、浴室、トイレ、洗面所、洗濯機、冷蔵庫などと、住人も水蒸気を発生し、
   室内に水蒸気を発生させる生活をしている。
   これらの水蒸気を常時排気するのが、24時間換気の一つの目的でもある。
   多量に発生する、キッチン、浴室、トイレなどは、より多く排気する必要が有り、
   換気扇も性能が良いものを使う必要がある。

  C)除湿:夏場の換気では、屋外の湿度が高く、室内の湿度が下がらない。
      夏場は、冷房か除湿機により、湿気の除湿も必要になる。
最近の「住まい」は、気密性が良いので、特に換気だけでは湿度を下げることが出来ない、
クーラーや除湿機の併用がカビの防止に有効に働く。

  D)断熱材の使用:特に冬は、南側と北側の壁の温度が違い、北側の低い温度の壁の近辺では、
壁による温度低下のため結露に至らなくても、相対湿度が上昇し、カビの繁殖域になる。
断熱材を建物全体に使うことで、室内の温度変化が少なくなり、結露はもちろん、
相対湿度が高くなる部分がなくなることになる。
室内温度の差が3度以下になるような、断熱材の使用が必要だ。

  E)修繕:雨漏り、水漏れが起こらない「住まい」はない。早めの修繕は、部材を長持ちさせる最も良いシステムだ。
カビや腐朽菌、きのこなどの被害から守るためにも、日頃の点検と、すばやい修繕が必要になる。


☆換気が良いとカビやダニも少なくなる。☆

 現在は、シックハウスのための法規が整備されたため、換気回数は0.5回/h
(1時間に室内の空気を半分換気する)以上の換気が新しい「住まい」ではは保たれているはずだ。

 シックハウスのための法規の施行以前に造られた超高層25階建てのマンションで、
換気回数とダニの数と絶対湿度の関係を調べた資料がある。(室内汚染とアレルギー・井上書院1999)

 下階(2〜6階)、中階(11〜14階)、上階(21〜25階)で調べたところ、換気回数は2〜14階で凡そ0.35回/h、
21〜25階で凡そ0.2回/h、絶対湿度は2〜14階で凡そ6g/m3(水蒸気量)、21〜25階で凡そ8g/m3、
ダニの数は2〜14階で凡そ25匹/m2、21〜25階で凡そ40匹/m2、との調査結果が出た。

 上階特に20階以上では、風の影響だと思うが窓の開閉頻度が低く、換気回数が不足し、
湿度が高くなりダニが多かったのが調査結果だ。
 ダニが多いことは、ダニの食料であるカビも多いことを暗に示している。

 カビの生育可能な相対湿度範囲は、好乾性カビ65%以上、中湿性カビ80%以上、
好湿性カビ90%以上だそうで、(室内汚染とアレルギー・井上書院1999)湿度が高いとカビもダニも繁殖し易くなる。
 ダニの繁殖域はカビより低く相対湿度50〜80%になるので、夏場は換気だけでなく、空調による湿度低下が必要になる。

 当然カビにも空調による除湿は効果が大であり、夏場は換気だけではなく空調による除湿が有効だが、
換気で相対湿度も減る効果もあり、カビやダニの繁殖を抑えることに有効な手段なことも確かだ。



kabidani01

室内汚染とアレルギー(井上書院)+豊かな住まいづくり(日本建設新聞社)より


 シックハウスのための法規の換気0.5回/hは、カビやダニ、細菌も考慮しての回数だと思うが、
電気が無駄とか、音がうるさいなどの家族の勝手な判断で、換気扇が消されていることも多い。

 また、換気扇は常時動いている「住まい」でも、居室の空調の性能のため、部屋の扉を閉めている家族も多く、
法基準の扉の下端アンダーカット1cmでは、居室の換気は0.25回/hも確保できないことを考えれば、
換気が上手に機能していない「住まい」が多いと思う。

 さらに、居間や寝室で使う防虫剤や電子蚊取り、殺虫剤、消臭剤、芳香剤、化粧品類なども増えており、
家族の使うVOC(放散性化学物質)が人体に被害を及ぼす、状況も出始めている。

 室内換気量0.5回/h以上を換気するためにも、トイレや浴室の換気を24時間稼動し、
なるべく、部屋の扉は開け放しにしておくことが、健康にもよく、
湿度も下げ室内空気も清浄に保たれる過ごし方である。

 省エネやエコのつもりで、換気扇のスイッチを切ったり、部屋の扉を閉め切りにするとは、
先の記述で学んだように、アメリカで起きたシックビル症候群の二の舞になりかねない。


☆我が家の換気システムを見つけて清々しい気分を味わおう。☆

 マンションでレンジフードを弱で一日中回し続けたことがあるが、
外から帰ってきたときに室内の空気が清々しく感じた経験がある。
 換気扇を廻さず、換気しなかった時には気が付かなかったが、空気の綺麗さを経験すると、
淀んだ空気が嫌になり、今では「住まい」の換気扇をなるべく廻すようになってしまった。

 自宅で全ての換気扇を廻して数日経験してみると良い。
 消臭剤や芳香剤よりずっと清々しく気分爽快になるのが請け合いだ。
 ただし、音が多少煩くなるので、徐々に24時間換気する換気扇を絞込み、自分の「住まい」に合った、
換気方法を探り出す実験として、やってみることをお勧めする。

 現在24時間換気扇が付いている家庭でも、扉をなるべく開け放しにし、全ての換気扇を動かしてみると、
清々しさに変化が起こることがある。
 季節によっても室内の環境が変化するため、実験してみる価値がある。

 吸気口や窓の開け方も同時に研究する必要がある。
 換気扇に近い窓を大きく開けると、ショートサーキットと言い、窓から吸って換気扇で排気する、
部屋の一部分通気になってしまい、「住まい」全体を綺麗な空気で充満することができない。

 吸気口は、なるべく対角の遠い窓を開けるようにすることと、吸気口の前にモノが置かれていることもおおく、
吸気口周りの障害物をとり除くことも必要だ。

 夏と冬では開放する窓を変えたほうが良いこともある。
 春秋も別にした方が良いなどと考えはじめるかもしれない。
 ともかく、「住まい」にある、空気を動かす機器と器具(窓も含む)を総動員して、
家族皆で実験し経験してみるのが良い。

 簡単に家族で楽しみながら、清々しい気分を味わえる家族の遊びと考えてもよい。

 注意事項として、換気扇が壊れることがあるが、新しい機種は24時間対応で音も静かになってきたので、
この際自分で取り替えることを考えても良い。
 ただし、電気の配線と感電にはよくよく注意して欲しい。
 交換必要な換気扇がコンセントに差し込む機具ではない場合には、電気屋さんに頼んでほしい。

 これらのことを念頭に置いて、我が家の換気方式を探り出し、バランスの良い換気方法を見つけ出すと、
清々しい「住まい」で生活できるようになる。



 今回は以上です。


 次回をお楽しみに!
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