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☆☆☆         【自分で防ぐ欠陥住宅】☆☆☆
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APSS設計事務所  菊池 です。


72・☆技術と伝統通気システムとの融合☆
(「スパイラルエアーシステム」)

 読み物としても、役に立つものとしてお送りしています。


 宜しくお願い申し上げます。

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またどうしたら失敗せずに「住まい」を造れるか、
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72・☆技術と伝統通気システムとの融合☆
 (「スパイラルエアーシステム」)

☆伝統工法は結露を起こさないシステムだった。☆

 前のグラフで、防湿シートの効果が高く、通常はいかに沢山の水蒸気が、壁の中に入たかが分かる。
 寒い地方では、特に防湿シートと防湿器具が必要なことを、御理解いただけたことと思う。

 伝統工法の壁の場合は、土壁と漆喰か板壁で出来ているため、
水蒸気が入ったとしても直ぐに出てゆく造りになっている。
もっとも、現在のように、室内と屋外の湿度や温度の差があまり無かったため、
水蒸気が結露する環境にもならなかった。
使う人が、結露が起こしやすい状況をつくりだしている。
 したがって、水蒸気の結露を防ぐためには、
現代の技術と伝統工法の通気のシステムをバランスよく取入れることが出来れば、
結露を起こさない窓や壁になるが、最近まで結露のことは考えずに、
人の温熱環境だけを追い求めてきた結果、結露いっぱいの窓が何処の「住まい」にも見られた。


☆技術と伝統通気システムとの融合☆
(「スパイラルエアーシステム」)

 建物の部材を傷めるのは主に水分であることが分かった。
水蒸気の結露も大きな原因だが、水蒸気が放散せずに湿度の高い状態が続くことも劣化の原因になる。

 もっと大きな原因は、漏水である。
雨による漏水が伝統建築の最大の劣化原因であり、床下からの湿気も原因になっていた。

 古い建物の屋根裏に入ってみると、必ず雨漏りの跡がある。
 どんな建物でも経年変化により雨漏りが起こり、メンテナンスしている。
 最近はビニールなど防水材が多く、破棄されたビニールが屋根に飛んできて、
雨水を堰きとめ屋根に水溜りをつくり、雨漏りを起こした住宅を見たこともある。

 年月が経つと、どんな屋根であれ、必ず雨漏りを起こし、廃屋が朽ちるのはこの雨水による劣化
(腐朽菌やカビ、白蟻の繁殖も含めて)が原因である。

 雨漏りは、メンテナンスより改善の方法が無いため、床下や天井裏を点検し易くしておく必要がある。

 さらに、水蒸気の結露や放散のためには、通気システムを上手く活用することである。

 現代の住宅は、人の室内環境の為に気密性がよくなり、春秋は窓を開けて通風をとるが、
夏冬は窓を閉めるため、自然の通風がなくなり、自然に任せていたのでは、年中24時間の通気は難しい。

 また、空調を使用するため、自然換気では、エネルギーの無駄使いにもなってしまう。

 したがって、外気を取入れて排気をする住人のための換気を、
もう少し有効にエコロジーシステムとして活用する換気・通気システムにすれば良い。

 人のための換気を、建物の部材にも通気を供給するシステムにすると、一石二鳥や三鳥の効果がある。

 システムとしては、吸気は屋外気を各室に少量でアクティブ(換気扇)に取入れ、
空調空気と混ぜ合わせ、室内を十分換気してから排気にまわす。
そんなに汚れていない。
 床下断熱をし、床下も室内扱いにすれば、この通気で床下換気が賄われるため、
基礎に換気口やガラリなどは必要なくなる。
 基礎スラブは床下に送り込まれた空気の熱を蓄熱するのにも役に立つ。

 床下換気も兼ねた通気は、壁の中の室内側に通気層を設けておけば、自然に壁の中を上昇し、
壁の中の部材に風と熱を供給し、不要な水蒸気は排気する。

 床下にまで、アクティブに通気を供給すれば、温度差、気圧差で自然と壁内通気層を上昇するが、
屋根裏の排気口が自然開口だと、冬場の寒気はいっきに押し寄せてきて、室内を屋外環境にしてしまう。
 したがって、屋根裏にはもアクティブ(換気扇)に排気する機器を設置する必要がある。

 これが、「スパイラルエアーシステム」であり、現代の技術と、
伝統の通気をシステムとして住まい全体に取入れた、通気システムの基本理念だ。
 すなわち、綺麗な空気をまず人が使い、熱エネルギーも供給し、次に床下や屋根裏、壁の中にも使う、
同時に熱エネルギーは、床下の基礎コンクリートに蓄熱し、徐々に使うので、
エコロジーにも通じたシステムとなる。

 通気も熱エネルギーも二度、三度と使うことで、とても有効な使い方となり、通気によって部材に風が供給され、
部材の寿命が延びることで、さらに環境にも貢献する。


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☆通気は構造強度にも貢献☆

 通気に気をつけると、構造部材の環境も良くすることができる。

 最も顕著なのが基礎で、室内の空気を通気として使うため、基礎の換気のための開口が不用になり、
基礎は欠損無しのコンクリートの梁としても役に立つ。

 基礎に開口があると、開口補強の鉄筋を入れてもコーナーからのひび割れの可能性が高く、
基礎の構造的弱点になっていた。

 屋外からの通気を使わずに、基礎パッキンを使えば、基礎コンクリートの水分の影響を土台から排除することが出来、
さらに基礎を常に乾燥した状態に保つことが可能になる。

 このような基礎パッキンの使い方も、構造強度のプラスになる。

 もう一つ、梁や柱がプラスターボード(PB)の壁に覆われる部分がよくあるが、通気ができなくなるので、
通気に気を使う納まりとして考えれば、梁を覆う壁を45度に折り曲げて、通気を確保するデザインも出来る。

 他にも通気が確保できる納まりは沢山考えられるので、梁や柱や壁で通気を止めず連続した通気路を確保し、
構造体への風を十分に供給できる床下や屋根裏、壁の中とすれば、通気は構造強度にも大いに貢献することになる。



 今回は以上です。


 次回をお楽しみに!
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