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APSS設計事務所 菊池 です。
61・「 地盤改良があだになり、不同沈下に発展するケースもある。」
地盤改良に関して、以前から警告してきたことですが、
地盤改良が不同沈下を引き起こしたケースもかなりあるようで、
日経ホームビルダーに、私の主張を検証するような記事がでていましたので、
今回は地盤改良の件です.
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61・「 地盤改良があだになり、不同沈下に発展するケースもある。」
今回は、地盤調査をしたところ、地盤が悪く、地盤改良をしたのですが、
その地盤改良が原因で、不同沈下になってしまった「住まい」の問題点です。
日経PBの記事は
◇【地盤調査に不服あり】(1)地盤補強したのに不同沈下することがある!
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20080319/517431/
を見て下さい。
この問題が最近日経PBの記事にもなりました。
最近は地盤調査を、住宅の建設でも、ほとんどの現場で行なっています。
ただし、安い費用に押えたいと云うことで、
スウェーデン式サウンディング試験(通称・SS試験)が主流です。
このSS試験でも地耐力に余裕があるときは良いのですが、
地耐力が不足する場合には、SS試験だけでは、地盤改良の検討をするときに、
データーが不足し、不同沈下の影響を受けないような地盤改良法を、
設計するのが難しくなります。
しかし、ほとんどのハウスメーカーや工務店では、
地盤調査会社にまかせっきりですので、地耐力の出ない敷地の場合、
調査会社の考察を鵜呑みにし、そのまま施工をしています。
この場合、地耐力が無い地盤ですので、地盤の改良が必要と書いてきます。
その改良指示は、一般的な地盤改良指示となりますので、
地盤改良した場合のさらにその下の支持層の地耐力が、
不足している場合の考察にはなっていません。
ハウスメーカーや工務店側では、この考察の指示を受け、
一番安く地盤改良が出来る工法を地盤改良会社に問い合わせます。
その結果、たいてい柱状地盤改良工事が選ばれるのです。
私の経験では、5箇所のSS試験をし、
1箇所だけ地耐力が不足する敷地の場合がありました。
そのデーターで、地盤調査会社は、地耐力の不足している部分のデーターで、
地盤の考察を書きたいが良いかと聞いてきました。
普通は1つでも地耐力不足部分があると、
不安になりますのでその部分に合わせた地盤改良を指示することになります。
しかし、私はそのデーターを見て、一箇所だけなのはおかしいと感じたのです。
もともと古い家屋が建っていた敷地でしたので、
敷地の履歴をインタビューにより調べた結果、地耐力が不足している部分には、
以前の家屋の浄化槽が有った事が解りました。
それだけ確認できれば十分でした。
他の4箇所がこの敷地の地耐力で、地耐力の不足している一箇所は、
特殊な条件のため生まれたものです。
この敷地に最適な地盤改良法は、
地耐力不足の一箇所を他の部分と同程度の地耐力にすることです。
要するに、浄化槽が埋めてあった部分のみの地盤改良をすればよいのです。
そのことを地盤調査会社に伝え、浄化槽跡を埋める地盤改良方法を、
考察に記述してもらうように伝え、地盤調査会社からも了解を得たのです。
このように、特殊事情の敷地の場合には、
地耐力調査や地盤改良もその敷地に合った方法が必要なのですが、
もっと大切なのは、全体を見ながらバランスよく判断を下すことが出来る、
専門家なのです。
さて、話は元に戻りますが、一般的な地耐力不足の場合、2、3mの柱状地盤改良で、
地耐力の高い地盤に設置できれば、
問題ないのですが、なかなかそうは問屋が卸しません。
地耐力の低い地盤の場合、地耐力の高い地盤がすぐ下にあることは少ないのです。
ボーリング試験でもして、きちんと確かめている場合は良いのですが、
SS試験で地耐力不足を指摘した場合、もともと地耐力のバランスをチェックする目的で、
使われる試験ですので、その下の地盤の地耐力までは把握できないのが普通です。
地耐力を保証できる地盤は3m以上に亘って、
必要な地耐力以上の値が出る地盤の場合です。
しかし、SS試験では、地耐力が不足する軟弱地盤を見つけるのは得意ですが、
支持地盤(3m以上の必要耐力地層)を見つけるための試験としては適していないため、
SS試験だけで軟弱地盤対策をしようとすると、問題が起こる可能性が高くなるのです。
経験豊富な専門家無しで、ボウリング試験もしないで、
SS試験だけで軟弱地盤対策をすると、欠陥住宅になる可能性も高くなるのです。
私の経験したもう一つの件では、田んぼの跡地に住宅の建築をしたものがありました。
木造2階建てですが、その敷地の田んぼの跡地は地耐力がほとんど無かったのです。
すぐ向かいの敷地で3階建てのRCのマンションを建設していたので、
その杭工事を見たところ、20m位の杭が必要で、表層10m程度はPC杭を落しただけで、
沈んでゆくほどの、地耐力の無い地盤でした。
そんな地盤でも表層に赤土(ローム)を50〜60cm程度盛土し、
2年ほど寝かせると、その部分の地耐力は2t程度になるので、
ベタ基礎での施工が可能になるのです。
このような地盤で、地耐力がぎりぎりだからと、杭状地盤改良でもしたら、
杭状改良の底部は、地耐力のほとんど無い層に出てしまい、
不安定になるばかりなのです。
この住宅はベタ基礎で盛土の上に建てて、もう20年にもなりますが、
現在でも不同沈下も、全体的沈下も起こっていません。
ベタ基礎の威力だと思いますが、ベタ基礎の場合、
ベタ基礎の底盤(底を定着する地盤)を定着させる、地盤部分を平らにする以外は、
なるべくいじらないのが、地耐力を維持する手法なのです。
単純に考えても解りますが、杭状改良をしたり、段上の地盤にしたりすると、
基礎の底盤が、地耐力の有る地盤に触れている部分が少なくなるからです。
地盤の悪い場合には表層の全体的地盤改良
(ロームの盛土を寝かせるのも同じ原理)をして、
その上にベタ基礎で造ることで、軽い木造住宅ならば、
十分建設可能ですし、不同沈下や全体的沈下も起きないのです。
下手に杭状地盤改良することで、地盤への設置面積が少なくなったり、
杭状改良の定着地盤に地耐力が不足していたりで、
不同沈下を起こす可能性を大きくすることになるのです。
地盤の杭状改良に関しては、以前から注意を促していましたが、
日経PBにも記事が出たように、地盤改良したことが、
不同沈下の原因になることもあるのです。
トータルで全体が見られる専門家がいないと、問題に当った時、
全体的にバランスを考えて施工を進めることが、難しくなるのです。
今回は以上です。
次回をお楽しみに!
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