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APSS設計事務所 菊池 です。
60・「 夫婦同室の寝室が離婚の原因になることも多い。」
自分の育った「住まい」の環境に対するアンケート調査の感想より、
その4−今回は、夫婦関係とくに離婚と「住まい」の関連性がテーマです。
◇地球環境に貢献する「住まい」を考えていますか?◇
http://www.apssk.com/meru/kekanmm35.html#A
自分で「住まい」造りを考えるための知識を、
メールマガジン(MM)としてお送りしています。
「住まい」造りに役に立つMMですので、楽しみながらお読み下さい。
前回までのメールマガジンをお読みになりたい方は下記からどうぞ。
◇メールマガジン目次http://www.apssk.com/kekanmeru00.html◇
60・「 夫婦同室の寝室が離婚の原因になることも多い。」
今回も、夫婦と「住まい」の関係ですが、結構「住まい」が関係しているのが判ります。
アンケート調査内容は
◇アンケート「個人用」・家族と室内空間・http://www.bekkoame.ne.jp/ro/apssk/anke/QUESTION1.htm◇
を見て欲しい。
さらに、結婚してからの影響について、アンケートに答えてくれた人の感想を交えて、
「住まい」と夫婦関係に付いて探ってゆきます。
***
20代後半の女性:Qさんの「住まい」に対する感想。
一昨年までは夫と寝室は一緒でしたが,
子供(1歳4カ月)と寝ることを理由に私は客間に寝るようになりました。
もともと結婚した時から夫婦は同じベッドに寝なければならないという
夫の考えに疑問を持っていました。
***
20代の女性:Qさんの場合も夫婦一室、同じベットに疑問をもっています。
多分一人で自由な個室に、結婚前までいたのだと思いますが、
一人でのびのび眠れないことがストレスになったのでしょう。
そして、この例の場合には、女性が子供と寝るのを理由に寝室を別にし、
ストレスがやっと解消したのではないかと思います。
恋は不思議なもので、感覚的に合う合わないとの感情を乗り越えて、
好きになってしまいますが、好きの感覚はスターに対するファンのような感覚なのでしょう、
実際に生活をし、お互いの感覚の違いを見つける度に好きの感覚は薄れてきます。
そのとき、女性は感覚的に相容れない部分があると、何かの拍子に、
相手が嫌になり、離婚などに繋がります。
男性の場合は、それまでの結婚生活から感覚の違いを、生理的な嫌悪と考えずに、
論理的な判断をし、子供が居るから、面倒だから、便利だから等々の理屈により、
離婚や別居等の発想に思い至らないことが多いようです。
もちろん、恋が覚めた時でも感覚的にそれほど違わなければ、
長年の生活で、お互いの同化が進み、
おしどり夫婦と言われるようになる場合もあります。
夫婦の寝室の問題は奥が深そうです。
***
30代前半の女性:Rさんの「住まい」に対する感想。
夫婦で答えておりますが、かなり意識の違いがあるように思います。
私が我慢していると自分で思っているからでしょうか?
私は家事など家庭面においても、自分がよかれと思ってやっているつもりでいましたが、
結構無理しているのかも知れません。
完璧主義的なところがあるので・・
いつのまにか自分は花が好きでアレンジメントして部屋を飾っているというよりも、
彼が綺麗だと言うから飾る、また陶芸教室に通っており、
最初は自分の作品に料理を盛り付けたいという気持ちだったのが、
彼が「家はちょっと違うよね」と言った言葉から
やめるにやめられず教室に通っているといった具合に。
何か一方的に彼を喜ばせているみたいで釈然としないのです。
単に私が捻くれているだけなのでしょうか?
いつのまにか自分優先から他人優先の生活が身についてしまい、
ふと我に返った時に「ああ、自分は彼の生活の時間に合わせて生活しているな」と思い、
愕然とし、そして、何故か腹が立ってくるのです。
しかし、彼は大いに幸せ、家庭に不満はないそうです。(彼曰く)
でも・・なんですよね。
もっと「自己を確立せねば」と思うのですが・・・なかなかどうして。
旧来の考え方と現代の考え方、また自分はどうしたいのかという思いが交錯しているのです。
ても、母曰く「あなたは古風な女」なのだそうです。
でも、彼に依存しているつもりはありません。
何を言っているんだろう、私は。
鬱々とした思いを彼に言ってみようと思います。
ストレスを溜めるまえに。
***
この30代の女性の文章からは、本音が聞こえてきます。
パートナーを喜ばすためにやり始めたことが、
パートナーの言葉や思いにより止められなくなってしまう様がよく現れています。
パートナーはRさんを誇りに思っているのでしょう、料理も上手いし、
部屋を綺麗に飾ってくれるし、夫を大切にしてくれるし等々と思っている
雰囲気が十二分に伝わってきます。
一方、Rさんはパートナーが誉めてくれるので、
自分の本当にやりたい事では無いのにも関わらず、惰性で続けてしまい、
ちょっと自己嫌悪に陥っている様が、切々と伝わってくるのです。
家庭でのストレスの原因はこんな、
ちょっとした行きちがいから生まれてくるものなのです。
Rさんが自分の楽しめることをしながら、パートナーを喜ばせることが出来れば、
素晴らしく楽しい家族になるのですが、
一般的にはこの程度の感覚のズレはよくあります。
感覚のズレをRさんが修正し、自分のやりたい事、楽しいことをやり始めたときに、
パートナーがどんな反応を示すかがポイントになります。
そのときには、Rさん夫妻の場合もある程度の感性の違いが存在していますので、
お互いの生活や、今後生まれてくるであろう子供を交えた
「住まい」の考え方が問題になってくるのです。
夫婦が同一部屋、同じベットで良いのか?同一部屋別ベット、
別々の部屋との3通りの選択がありますが、私の見たところ、
Rさん夫妻はやがて別々の部屋になる方が、円滑に生活が送れるように思います。
険悪になっている訳ではありませんが、パートナーは大満足で、
妻の不満に全く気づいていないようです。
ズレが大きくなると、部屋の問題がとても気になり、
惹いては離婚にまで発展しかねません。
このような場合、駆け込み寺のような考えが、パートナーの影響を排除でき、
逃げ込み部屋なるものがあると、ストレス解消にも、負担の軽減にもなるのです。
スペースや金銭的な関係も有りますが、家族が楽しく過ごすには、
その家族に合ったプランニングと考え方がありますので、
子供の問題も含めて、よくよく相談することが大切です。
***
30代前半の女性:Sさんの「住まい」に対する感想。
中学3年の時、広い家に建て直したのですが、
玄関を入って、まっすぐ階段を上がってしまえば
家族と顔を合わせることなく自分の部屋にいけるようになったので、
小言を言われないようにいつもすぐ部屋に入ってしまっていましたが、
父母がかわいそうだなあと心の中では思っていました。
結婚してから大きな家に住めなくなったので、ストレスがあります。
自室がほしいです。
それから、家族がぶつからないで歩ける広さが、すべての部分に無いので、
もう少しゆとりがほしいです。
また、間取りがどうのではないのですが、実家の自室だった部屋は、
生前父とカーテンの色ジュータンの色、
窓やドアの形などを一緒に考えた楽しい思いでのある部屋なので愛着があります。
夫との関係を改善する気持ちが全くないので現在は家庭内離婚状態です。
狭いマンションですが北側の部屋と南側の部屋に分かれて過ごしていると、
たいして夫の気配も感じず生活できるので今はとてもありがたいです。
逆にこういった間取りじゃなかったら、
子供の受験が済むまでなどと悠長なことはいっていられないと思います。
***
この30代の女性の場合も、すでに離婚に向けて進み始めていますが、
原因を文面から推察すると、感覚の不一致と部屋の狭さと使い方のようです。
中学3年の時に個室をもらい、居心地の良さについつい両親に悪いと思いながらも、
あまり家族の団欒にはでてこなかったようです。
この感覚は、多分生まれ持った個性と個室の魔力なのでしょう。
結婚して狭い「住まい」に住むことで、自分ののびのびする部屋が得られず、
子供が出来ても、子供が緩衝材にならなかった様子で、
結局感性的に合わないために、離婚を考えることになったのだと思います。
この女性が育った時の自室の使い方と、配慮の持ち方に夫婦の危機が現われています。
家族のいる場所を通らなくても行ける個室をもらったとたんに、
「悪いな」と思いながらも、自室に閉じこもっていたことは、
かなり自己中心的な性格だったのかもしれません。
結婚して「住まい」が狭く自分の部屋をもてないことが、
とても大きなストレスに成る感性に変化はなかったようですので、
相手がその分配慮してくれれば変わったかも知れませんが、
相手の配慮もなかったようですので、
狭い「住まい」は離婚の立派な原因になってしまったようです。
現在はマンションの北側と南側に分かれて生活し、
あまり相手の存在も気にならなくなっているようですので、
お互いの感情が険悪になる前に、逃げ込み部屋の夫婦別々方式を取り入れていたら、
あるいは離婚に至らずにすんだのかも知れませんが、結果はわかりません。
***
30代後半の女性:Tさんの「住まい」に対する感想。
旦那の独身時代からのあれやこれやで、貴重な一部屋が必ず、物置になること。
例 3Kのうちの一部屋、3LDKのうちの一部屋これだけで、離婚したろうかと、時々思う。
高校生のときまで住んでいた自宅は、もと日本旅館だったので、部屋数がやたら多く、
隠れたらなかなか見つからなかった。子どもながら、プライバシーが保てた。
***
この30代の女性のコメントは、「住まい」の使い方で夫婦の意見が合わず、
離婚まで考えるほどの気持ちになることを示しています。
この女性は部屋数の多い実家で育ち、プライバシーを完全に保っていたようで、
個人としてのプライバシーが保てないことと、
パートナーの収集癖が感性に合わないようです。
このような感性の違いがある夫婦の「住まい」としては、2人別々の部屋にすることと、
納戸を大きめに取り、LDを広くし無駄と思える部屋やスペースを減らすことで、
感覚的ズレもある程度修正され、お互いに納得出来る方向にプランニングできます。
子供部屋を用意しておくと、パートナーの納戸になりかねませんので、
はなから大きな「住まい」にしないこともポイントです。
子供部屋が必要になったら、必要な部屋数の「住まい」に引っ越すことです。
引越しを繰り返すときに、不用品の破棄を迫るのは、
相手にも効果があり納得せざるを得ない整理方法です。
「住まい」のプランニングや使い方でも夫婦の感性の違いがよく現れます。
その際の落しどころをどうするか相談する必要がありますが、夫婦では関係が近すぎ、
主張がぶつかり合いまとまらない場合も多いので、
プランニングや改修に、経験豊かな設計者やコンサルタントを頼むことも大切なことです。
今回は以上です。
次回もこの続きです。
次回をお楽しみに!
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