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☆☆☆         【自分で防ぐ欠陥住宅】☆☆☆
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APSS設計事務所  菊池 です。


59・「 離婚にも「住まい」の影響が現れる。」

 自分の育った「住まい」の環境に対するアンケート調査の感想より、
その4−今回は、夫婦関係とくに離婚と「住まい」の関連性がテーマです。

 ◇地球環境に貢献する「住まい」を考えていますか?◇
http://www.apssk.com/meru/kekanmm35.html#A


 自分で「住まい」造りを考えるための知識を、
メールマガジン(MM)としてお送りしています。
 「住まい」造りに役に立つMMですので、楽しみながらお読み下さい。


前回までのメールマガジンをお読みになりたい方は下記からどうぞ。
◇メールマガジン目次http://www.apssk.com/kekanmeru00.html◇


59・「 離婚にも「住まい」の影響が現れる。」

 今回は、夫婦と「住まい」の関係で、夫婦仲が悪くなったり離婚する原因の要素として、
「住まい」の問題を考えてゆきます。
アンケート調査内容は◇アンケート「個人用」・家族と室内空間・http://www.bekkoame.ne.jp/ro/apssk/anke/QUESTION1.htm◇を見て欲しい。





 前回までは、「住まい」の子供の頃の影響について、アンケートに答えてくれた人の感想を交えて、
述べてきましたが、結婚したあとの夫婦生活に対しても「住まい」が影響しています。
 離婚の可能性も含めて、その原因としての「住まい」を探ってゆきます。



***
 40代前半の男性:Lさんの「住まい」に対する感想。

社会人になって結婚するまではリビングルームではなく独身寮でした。
今すんでるのは一戸建てで、二人の子供は一部屋を二人で使っています。
子供たちには狭い、等不評ですがいつも居間にいるので楽しい会話で
明るく生活しています。(勉強も居間でしています。)
***

 この「住まい」の使い方は、とても上手く行っている例です。
意図していないのかも知れませんが、子供2人を一部屋に押し込めた結果、
狭いから居間に出てきて、話もすれば勉強まで居間でするようになった、様子が窺がえます。

 意図しないでやると押し付けにならず、「家は狭いから2人で一部屋にしてもらっているけれど、
居間も使って良いんだよ」と言ったかどうか知りませんが、なんとなく居間に家族が集まっていて、
話もすればTVも勉強もすることになり、躾も自然と出来ますし、
家族が一緒になって楽しむ機会がとても増えている様子がうかがえます。

 こんな、素晴らしい家族は、自分だけのことではなく、
相手のことや他人のことも思いやる心が育ちます。

 このような家族ならば、離婚や家族崩壊の恐れも無く、
少し狭い「住まい」で良かったとの安堵の言葉が聞こえてきそうです。



***
 30代前半の女性:Mさんの「住まい」に対する感想。

小学生の頃は開放的な勉強部屋だったが、中学生以降は閉鎖的になった。
勉強に集中できたよかったと思う。
その実家はスペース、収納が十分にある。採光が十分に考えられているので、どの部屋も明るい。
・結婚して夫と同居していた頃、プライバシーが全くなかったこと。
  姑の干渉がひどく(これが離婚を考える原因になった)、「家族だから」という理由で、
  私たち夫婦の寝室や書斎に鍵を取り付けさせず、私の不在時に無断で出入りしては私の荷物  
から貴重品をさがしたり、日記や手紙を盗み出したりしていた。
・私たち夫婦の寝室の真下に姑の寝室があり、夫の弟の居室が私達の寝室の隣室だったこと。
・ステップ方式だったので、部屋から部屋へ移動するのに階段が多く、
妊娠中はストレスの原因になった。
***

 「住まい」の夫婦に対する影響が現れています。
 この方が実家で育った時、「小学生の頃は開放的な勉強部屋だったが、
中学生以降は閉鎖的になった。」と言っており、
さらに、「実家はスペース、収納が十分にある。採光が十分に考えられているので、
どの部屋も明るい。」との良い印象しかない実家に比べて、婚家は姑はうるさく、
隣の部屋は義弟の部屋になっており、常時看視されているような「住まい」のようです。
 当然ストレスがたまり、離婚を考えるまでになってしまったのでしょう。

 離婚などがおきる場合、「住まい」だけの問題ではなく、常に人が絡んできます。
ここで問題になるのが、開放的な「住まい」だと核家族だけなら良いが、
姑や小姑との同居ですと、その接触も多く、このためのストレスの方が大変だといえます。

 人間関係が大変なのは、神代の昔(そこまで遡ってかどうかは知りませんが)から、
嫁と姑の問題は続いており、未だに良い解決法は見つかっていません。

 一般的にはスープの冷めない距離が良いなどと言われていますが、
要するに「住まい」を別にする以外は良い手立てがないと言っているのです。

 したがってこの方のように、夫婦のプライバシーを取り上げられ、看視され、
家捜しまでされれば離婚を考えることも当然起こりうることです。

 さらに付け足せば、一般的に3世代同居の姑家族と嫁家族の関係は、
プライバシーが保てる「住まい」とする方が、お互いのためになり、
お互いが楽しく過ごせるようになるのです。

 開放的な「住まい」に住むには、
家族全員が節度と思いやりを持たなければ、難しくなります。

 一昔前の「住まい」は和室の連続でどこまでも解放的でしたので、
3世代が同居するためには、余程の覚悟と相手を思いやる心が必要なのです。
 したがって、嫁姑の問題はありましたが、この国の多くの家族は「住まい」の中で、
相手を思いやる心や、労わりの心を身につけ、家族思いで、
他人にも心を配る気使いの作法を身に付けたのだと思います。

 文明国では個人主義があたりまえとの考え方になっており、
この国も良い習慣を「住まい」の発展と共に無くしかけているのが、
今の「住まい」と家族関係なのです。

 「住まい」を住みやすくしながら、家族や他人を思いやる心を残すような「住まい」が、
これからのこの国の、そして世界的にも必要な考え方なのです。



***
 30代後半の女性:Nさんの「住まい」に対する感想。

24畳の居間・ダイニングに住んでみて子供4人と自分のスペースがあることで圧迫感が少ない
再婚する前は、2DKの公営住宅でもさほど狭いとは思わなかった。
でも主人が入ってきて、子供が生まれると息苦しいと思った。
今の住宅。(広い居間とそこにあるパソコンスペース。子供だけでも遊べる独立した部屋。
親子で寝られる広い寝室)
***

 この女性の場合は、狭い「住まい」が離婚の原因の一部であったことを窺がわせます。
 最初2DKの公営住宅がNさんの「住まい」だったようですが、
結婚し夫が引っ越してきて、さらに子供が生まれたことで、
Nさんの居る場所がなくなってしまい、場所だけではなく、
夫婦関係も色々あったのでしょう、
「住まい」が狭いことでより険悪になり、離婚に繋がったのでしょう。

 人間にはテリトリー意識があり、日本人は欧米人に比べて狭いと言われています。
 概ね、欧米人の場合、自分の周囲2,3m範囲に他人が入ってくると警戒するか、
嫌がるようですが、日本人は国土が狭いわりに、
人口が多い環境に住んでいる関係でしょうか、
テリトリー意識が狭く、周囲1m程度の範囲に他人が入ってくると、
警戒したり、嫌がるようです。

 このように、テリトリー範囲が狭い日本人ですが、さすがにNさんの場合は、
狭すぎたのかもしれません。

 再婚の相手は広いスペースを提供してくれたようで、
LDの広さと子供室の広さに満足し、新しい結婚生活に満足していることが、
感想にも現れています。
 この例は広さが影響しましたが、「住まい」の与える影響力は結構大きなものです。

 Nさんの場合ちょっと危惧することは、子供がまだ大きくなっていないようですので、
大きな独立した子供部屋を、昔の「住まい」の反動として安易に与えることです。
 独立した子供部屋の弊害を何度も指摘してきましたので、
ここでは問題があることだけを伝えておきますが、
育った環境や離婚した環境の問題点の反動として子供には、
とてもよい条件の子供部屋与える家族が多いのですが、
同時に躾けの面もしっかりとする必要があります。



***
 30代前半の女性:Oさんの「住まい」に対する感想。

6歳のときから、20年以上「独りになれる部屋」があったのに、結婚によって、
それがなくなり、寝室まで一緒になってしまうのは、今考えてみるととても不自然でした。
しかし夫婦とはそういうものかと思っていました。
子どもが昨年産まれて、「夜中に泣くと次の日に差し障るから」という理由で、
夫はかってにベットを隣室に持っていきました。
このとき、こいつとは絶対離婚してやると、真剣に頭にきましたが、
横に乳児が寝ているとはいえ、一人で寝ることがなんて、
のびのびとして心地いいのかということを、結婚以来6年ぶりに思い出しました。

子どもが成長して、一人で部屋を持つようになっても、
私はもう夫とは寝室を一緒にしないで、
それぞれの個室をどんなに狭くてもあてがおうと思っています。
嫌いとか好きとかではなくて、とにかく
一人になる時間がいかに大切かということがわかったからです。
***

 この30代の女性は6歳から個室を持っていたのですが、
結婚して夫婦の寝室だけが寝室だと考えをうえつけられ、個室でなくなったのです。

 部屋はあるのに寝室を一つにすることでストレスを溜めていたのです。
子供が生まれて御主人が寝室から逃げ出したため、
やっと自分と赤ちゃんで使える寝室になり、ストレスの原因が判明したのです。

 御主人と一緒の寝室で一人でのびのび寝ることが出来なかったことが、
ストレスの原因だったと解ったのです。

 この感想は、「住まい」が家族に影響を与える典型で、
夫婦の寝室を2つにすることを最初から考えれば、
離婚や不満やストレスが膨らむような状態にはならなかったはずです。
 ただ、結婚当初から別の寝室というのは、
結婚前によく話し合ったカップルでないと難しいでしょうから、
個室で長く育った経験のある夫婦の場合、
予備の客室なり子供室があれば、その部屋に避難することで、
不満やストレスを回避できるのです。

 個人的な環境が結婚によって大きく変わっても、
変化に対応する適応能力のある人も沢山いますが、
結婚以前の環境が精神的に合っており、個室でないと落ち着けない人も大勢います。

 このような精神的なストレスを溜めない「住まい」を考えることが、
結婚して「住まい」を考える時に、大切なことなのです。

 結婚したら寝室は一緒と決ってる訳ではありません。
平安時代には通い婚との制度もあったようですし、
現在でも、寝室を別々にしている夫婦も沢山います。

 常識に捕われず、家族が楽しく過ごせる環境を、
お互いの育った環境と、お互いの個性と精神的な負担の関係を、
夫婦や家族で話し合い相談しあうことで、納得できる方向が見えてきます。
 特にこの国の女性は、結婚当初は遠慮して、
自分の本当の心を知らせない場合が多々あります。

 結婚してからの長い生活を考えれば、
心の負担にならないような「住まい」はとても大切なことです。
男性も常識に捕われず、最愛のパートナーのために、
最大限パートナーの気持ちを取り入れて、「住まい」を考えなければなりません。



***
 30代前半の男性:Pさんの「住まい」に対する感想。

結婚、自部屋がなくなり戸惑いを感じた。
夫婦が同室で眠ることが嫌です。
***

 短いコメントですが、30代の男性も結婚により、自分の個室がなくなり、
夫婦同室を嫌がっています。

 一項目前のNさんの感想で述べたように、個人の感覚は生まれつき持っている部分と、
成長過程の環境で育まれた部分がありますが、
両方を合わせて、その人の個性になっており、その個性を無視するような、
生活をするとストレスになり、離婚や子供の虐待、家族の崩壊などに繋がります。

 普通はこうあるべきだとの世の中の常識にとらわれず、
自分達家族が楽しく過ごせる「住まい」を見つけるべきなのです。

 ただ、夫婦のどちらかが強く、強いほうの意見にほとんど従ってしまう夫婦の場合、
弱いほうの意見を取入れるのはなかなか難しいものです。

 そこで、「住まい」を造ったり家族生活を楽しく過ごしたい場合には、
経験豊かな設計者やコンサルタントを仲立ちにして「住まい」を造ることや、
家族生活の変化に対応した改修をすることを機会にして、
家族がお互いの心の中を吐き出し、相手の本音を聞き、
お互いにストレスが溜まらない「住まい」の造り方と、使い方を考える必要があります。




今回は以上です。
次回もこの続きです。


 次回をお楽しみに!
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