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APSS設計事務所 菊池 です。
56・子供の頃「住まい」をどんな感じで見ていたか。
自分の育った「住まい」の環境に対するアンケート調査の感想より、
いじめや家族崩壊、離婚などへ発展する問題点が浮き出てきています。
◇地球環境に貢献する「住まい」を考えていますか?◇
http://www.apssk.com/meru/kekanmm35.html#A
自分で「住まい」造りを考えるための知識を、
メールマガジン(MM)としてお送りしています。
「住まい」造りに役に立つMMですので、楽しみながらお読み下さい。
前回までのメールマガジンをお読みになりたい方は下記からどうぞ。
◇メールマガジン目次http://www.apssk.com/kekanmeru00.html◇
56・子供の頃「住まい」をどんな感じで見ていたか。
前3回で、子供部屋の弊害を訴えてきましたが、
実際に子供は「住まい」にどの様な感じを持ち、影響されて育ったのか、
私のWEBサイトのアンケート調査の声を基に考えてみたい。
アンケート調査内容は
◇アンケート「個人用」・家族と室内空間・http://www.bekkoame.ne.jp/ro/apssk/anke/QUESTION1.htm◇
を見て欲しい。
「「住まい」に対する子供の時の感じ方も色々で、影響も大きい」
まずはアンケート調査に寄せられた「住まい」に対する感想と私共からのアドバイスです。
***
20代後半の女性:Aさんの「住まい」に対する感想。
初めて小学生のときに独立の部屋をもらったとき、なんだかすごく嬉しくて、毎日掃除した。
大学時代、両親とまだ同居で洋室の1室に移ったとき、増築部分のその部屋の音が、
下階の父親の寝室によく響く構造だったので気兼ねした。
彼氏を呼んでいちゃいちゃするのも気がひけた。
ちなみにそのころ父と母は別の寝室を持っていた。
***
この女性は、小学生の頃に独立した個室をもらっていますので、
その影響が大学生になったときの個室の使い方に現れています。
大学生になって、個室の使い方はプライベートなエリアとの意識が強く、
彼氏も連れてきて個室で話したり楽しむことが多かったのでしょう。
小学生の頃に個室を与えられたため、「自分の城」として認識しており、
両親とのコミュニケーションが少なくなっていたことが伺えます。
彼氏を両親の「住まい」に連れてくることは良いことですが、
自室でいちゃいちゃするのは親にとっては心配の種となります。
これは、個室を早く与えられすぎた弊害ではないかと見ています。
小学生から自室に閉じこもっていると、
両親とのコミュニケーションが不足し両親に対する配慮が欠けてきているのです。
音が気になって階下の両親に気兼ねしたとの感想ですが、
気兼ねはしたが楽しんでいたとのことですので、
自室は自分の城であり何をしても良いとの思いが伝わってきます。
上の階の音が下の階に良く聞こえる構造になっていたことを認識していたのですから、
気が引けたとの感覚を持っていますが、防音効果の高い構造になっていたら、
家族や階下の父親にも気を使わなくなっていたのではないかと推察されます。
「住まい」が閉鎖的であれば、子供は気使いしなくなり、開放的であれば、
自然と気使いをし、家族との関係を良好に保つ感覚を身に付ける行動をしているのです。
「住まい」の開放度の影響をよく現した感想です。
***
30代前半の女性:Bさんの「住まい」に対する感想です。
閉鎖的な部屋のときは、安心感があったけれど、おちこんだときはどしょうもない孤独感があった。
実家に自分の部屋がなくなった時、存在してはいけないような錯覚におそわれました。
親のけんかがつつぬけだった。
部屋が通り道だった。
家のつくりは人間関係に重要な影響があると
おもいます。でも、これが正しい・・・という、結論もないようなきもします。
***
この女性は、「住まい」の経験が豊富であったといえます。
閉鎖的な部屋にいた時期、個室がなくなった時期、通り道になる部屋を与えられていた時期、
などです。
閉鎖的な部屋の特徴をよく感じており、
「安心感があったけれど、おちこんだときはどしょうもない孤独感があった。」との感想は、
個室の良さと欠点を素直に感じた感想です。
これも、様々なタイプの「住まい」と個室の経験をしたからこそ、味合うことになったはずです。
一般的に個室を与えられると、個人的に自由に使える部屋が嬉しくなり、
大人扱いされたとか、自分の居場所が出来たなど、良い面にしか目が行かないことが多いのですが、
気持ちが外に向かわず、内向になった時には、個室にいることで孤独感にさいなまれることになり、
このような時の対策が「住まい」と家族で必要になるのです。
普段から気軽にダイニングやリビングに出てくる習慣があれば、
問題なく家族とコミュニケートすることで、気分も改善されますが、
個室を自分の居場所だと思っている場合には、
気軽に家族の居るところに出てくることが出来ず、落ち込んだ感覚を長引かせ、
家庭内外の問題に発展することにも考えられます。
また、個室にひきこもりがちの家族だと、居間や食堂に出てきても、誰もそこに居ないこともあり、
子供の孤独感を早く見つけ、気持ちが楽になるような対応が遅れることにもなりかねません。
子供が大きくなってゆく過程では、家族に頼りたい気持ちや独立して自由になりたい気持ち、
さらには落ち込んだ時の回復のための応援や、あなたが必要なんだとの愛情を感じられる雰囲気など、
様々な精神的支えになる家族の愛情表現が必要になりますが、個室に引きこもっていたのでは、
親も兄弟もなかなか助け舟を出すことが難しい状況になってしまうのです。
***
20代前半の女性:Cさんの「住まい」に対する感想。
父親の考え方が、家族そろってという思いがあった為、和室(こたつ、TV・冷暖房は居間だけ)
という生活は新築後も変わらず。
その結果、家族との会話も豊富で相談等がし易い環境であったと思う。
私は、未婚女性であるが、今ある妻帯者とお付き合いしてます。
その彼の家庭の問題等を相談受けるたび考えさせられるのが、夫婦でもあまりにも育った環境、
特に家庭環境(ご両親の育て方)等からの価値観が違いすぎると
家族というものを作り上げていくことが、大変困難なんだなと実感しています。
***
大変に微妙な感想ですが、父親が影響力を持って、開放的な「住まい」を提供し、
開放的な「住まい」の良さを家族で享受していた様子が感じられます。
「住まい」を立て替えた時にも、家族そろって助け合いをし、
楽しさを分かち合うことが家族の姿であり、問題があったときでも家族で向かい合ってゆくことが、
家族の生活であるとの考えをしっかり持っていた、父親だったことが良く解ります。
家族の柱がしっかりとした家族像を持つことで、「住まい」の伝統が子供たちに伝わり、
家族を守り楽しく暮して行ける知恵が身に付くことになります。
この方は、不倫の恋をしているようですが、家族が支えになることを十分認識している方ですので、
恋の相手の人間関係の相談にも乗れるほど、自己意識がしっかりしているようです。
この方も感じているように、夫婦になる場合に、あまりにも育った家庭環境が違うと、
お互いの価値観が違いすぎ、夫婦生活まで支障をきたすようになることは常識になっていますが、
実際に恋の相手に家庭環境の違いを見せられると、戸惑いが先にたつようです。
また、開放的な空間に育った人の方が、相手との違いを受け入れる度量が広いことも確かですが、
あまりに違いすぎると溝を埋めることが困難で、離婚に発展することもあります。
このように、「住まい」の開放的な又は閉鎖的な空間に育つことは、
家族関係にも大いに影響を与え、その後の社会への対応や結婚にまで関係してくることを、
伺わせる文章です。
***
30代後半の女性:Dさんの「住まい」に対する感想。
両親と暮らしていたころ、台所が閉鎖的で、
父と兄がリビングでテレビなどを見ながら歓談しているのに
性的役割分担によって女性である母と私が寒い台所で料理を作ったり洗い物をしたりするのが
とても嫌でたまらなかった。
自分で家を買ったときは、このようなことのないようにリビングとキッチンが
一緒になっているところを選んだ。
キッチンとリビングが一緒なので、食事を作るときも家族全員が関わりを持てるし、
子どもの食育にとっても、とても良いと思う。
冬場は食事を作るときレンジを使うことによって
部屋全体が暖かくなる。
***
この30代の女性の子供のころの「住まい」は、昔の北側に台所がある典型で、
台所が閉鎖的なため、女性だけが暗く寒い場所での家事をしなくてはならず、
感覚的にとても嫌だったことがよく解ります。
女の城が台所だと良く書いた文章を見かけますが、北側で暗くさらに閉鎖的であると、
負担ばかり強いられるようで、楽しくないとの思いがつのるようです。
結婚して新しい「住まい」ではキッチンもオープンにし、夫も子供も皆で料理に協力し、
後かたずけも一緒に出来、ストレスの解消どころか、
積極的に家族の楽しみになっている様子がうかがわれます。
開放的空間が楽しさを生み出す原点は、お互いの協力が自然に生まれることにあり、
家事への協力のし易さが、気軽に家族がお互いをサポートすることを学び、
サポートされる側は喜びと楽しさがわきあがり、サポートする側にもその楽しさが伝わり、
より深い家族関係と愛情が生まれることになるのです。
家事への協力は主に女性へのサポートですが、子供の勉強へのサポートも、
そばで勉強していれば自然に声をかけたり、誉めたり、一緒に学んだりすることが出来ます。
我が家でも子供が中学生位までは、よく勉強に協力させられました。
暗記物の、「暗記が出来たかどうか協力して」などの要請が良くありましたが、
ほとんど覚えた後で確認のための協力要請で、本人も少し自慢げにしていますし、
親の私達もたいしたものだと誉めると、嬉しそうにしさらに勉強したように記憶しています。
家族をま巻き込んでの勉強も、家族皆で知識と楽しさを味合うことが出来る、
コミュニケーションになるのです。
***
30代後半の男性:Eさんの「住まい」に対する感想。
技術的なことなのでしょうが、父母の家は広かったにもかかわらず居間が狭かった。
今の私の家は小さいのですが居間が広い。そうしますと、居間の小さな家の方が
快適な気がするのですね。不思議なものです。
嫌だったというわけではないのですが、父母の家は応接間、床の間、など、使用しない
無駄な空間が多かったように思います。
***
プランニングの技術的な問題もありますが、家族関係が上手くいってるかも関係します。
人の居心地の問題ですので、昔の家はあまり来ない客のために空間(客間)を用意するのが、
常識というか美徳と考えられていましたので、
「住まい」の一番良い場所を客間や応接間にあてていました。
この考え方は、他人を敬う意味で大切なものですが、お客さんの多い家ならば有効ですが、
最近は本当に親しい人以外は、家庭を訪れることがなくなりました。
これも、欧米化と外食産業の発達した影響ですが、悪いことではありませんし、
自分の「住まい」を有効に使うことが出来ます。
プランニングの考え方として、親しい友人が訪ねて来た場合には、
居間やリビング・ダイニングで応対し、個室はプライベートに使うのが一般的です。
接待や会合、大勢のパーティーなども、外食レストランで十分楽しめますし、
後かたずけの労力がいりませんので、外で行なった方が家族が楽を出来ますので、
ほとんどのことは外食で処理する生活が、外食レストラン等を繁盛させている一因です。
今の家族の生活を考えれば、最近の多くの「住まい」のプランニングのように、
リビング・ダイニング・キッチンの領域と、個室群の領域の2つの部分で成り立つようになります。
客用のスペースは大きな「住まい」ならば別ですが、
一般の「住まい」では必要ないか、空き部屋を使うことが当り前のようになってきています。
そして、この方の感覚ですが、「住まい」に無駄な空間はあったが、
子供の頃の小さな居間に家族が寄り集まって過ごしていた暮しの方が、快適に感じたようです。
余程楽しい思い出が多かったのでしょう。
「住まい」は、客間に面積を取られなければ、居間を広く使えますが、
子供たちが個室に入ってしまい、居間に集まってこない家族では、楽しさが半減してしまい、
広く快適なLDが、空虚で快適に感じなくなってしまっているようです。
人が集まってくるには適度な広さと、気軽にすごせる環境が必要ですが、
居間が狭くとも、一昔前の家族では皆がより集まっていたので、とても楽しかったのです。
当時は、子供に個室が無かったり、兄弟で共用の場合も多く、
居間に居た方が、TVや暖房もあり、親の煩わしさを含んでも、居間に居る方が快適だったのです。
やはり、居間の快適性とは、広さや豪華さ、機能性、ではなく、
家族が集まっていかに楽しめるかであり、家族が居間に気軽に出てくることが必要なのです。
今回は以上です。
次回もこの続きです。
次回をお楽しみに!
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