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☆☆☆ 【自分で防ぐ欠陥住宅】☆☆☆
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APSS設計事務所 菊池 です。
26・「裁判を起こすのは簡単、決着は嫌になるほど大変!-1」
自分で「住まい」造りを考えるための知識を、
メールマガジン(MM)としてお送りしています。
「住まい」造りに役に立つMMですので、楽しみながらお読み下さい。
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◇メールマガジン目次◇
今週は本編に入る前に、チョッとほっとする話。
先日いつもの道をあるいていましたら、
葉桜が日差しを遮って涼しそうな木陰をつくっていました。
ひょっとみると、なにか赤いものが見えたので、
何だろうと思って、よくみるとかわいらしいサクランボが生っていたのです。
いつもは、ただ通り過ぎるだけの道ですが、
よくみると、別の新しい世界が見えることに気がついたのです。
普段はただ惰性に紛れて、季節ごとの楽しい世界があるのも忘れているようです。
皆さんも、季節が感じられる新しい世界を、立ち止まって見てみませんか?
◇葉桜と、サクランボの世界をご覧下さい。◇
26・「裁判を起こすのは簡単、決着は嫌になるほど大変!-1」の本題です。
先日、私が裁判での欠陥住宅の鑑定書を書いた、
Aさんから電話を戴きまして、「やっと裁判が終わりました、
足掛け10年に及ぶ長い裁判でしたが、
おかげさまで良い方向の判決をもらい決着しましたので、
お知らせします」と言ってきました。
その欠陥住宅の裁判は、東京近郊市に住むAさんが、
県内の大手B建設会社と、欠陥住宅について争った裁判だったのです。
主な欠陥は、@躯体の杜撰(ずさん)な施工、
それに伴うA仕上工事の不良、B筋違(すじかい)の取り付け不良、
C屋根の母屋と垂木の取り付け方が不良、
さらに、D補修費用の見積査定額の大幅な相違でした。
@躯体の杜撰(ずさん)な施工、に関しては、
屋根裏に入ってみたのですが、惨憺たるものでした。
建て主のA氏は構造躯体の悲惨な状況を見て、
地震や台風時に崩壊や屋根を吹き飛ばされる危険を感じて、
B建設とは別の工務店に補修を頼んだのです。
この補修が、B建設の杜撰な工事を解かり難くし、
この点も裁判の期間を長引かせた要因の一つなのです。
杜撰な躯体の内容としては、梁の頭が揃っていないので、
仕上材が凸凹になり、隙間や勾配が出来てしまったのです。
一般的に、多少の不揃いはでるものですが、
15mmから20mm程度もある不揃いは目を覆いたくなるような状況で、
根太による調整もせずに床や壁を仕上ているのです。
ともかく、やっつけ仕事なのが屋根裏に入ると直ぐに解かりますし、
補修をしても最初の躯体を納める仕事の酷さが、十分に見える施工なのです。
他にも、ほぞ穴を掘りながら、穴に入らないほど、
小屋束がずれていたり浮いていたり、棟木の仕口が合わずに、
クサビを沢山打ち込んで補修してあるのですが、本当に酷い状況でした。
梁も当初、断面積(梁の太さ)の足りない梁を使用したようで、
梁材の下に梁材を継ぎ足し、鉄板とビス留で補強した梁が、
何本も点在しているのです。
A仕上工事の不良
上記の躯体の不良を調整補修せずに、仕上材を張込んだため、
仕上材が水平や垂直に張れず、波打ったり隙間が開いたり、
勾配がついた仕上になってしまったのです。
酷い建物でも仕上げを強引に張付けて、綺麗にすると、
なんとなく見た目の良い住宅に見えますが、手触りや足触りが違い、
ビー球が転がり出す床もあります。
現状の新建材は便利と言うか、厄介と言うのか、
見た目だけは美しく張れるので、素人には一見良さそうに見へ、
不良部分を隠すことが出来る仕上になるので、
見た目ばかりを気にするのは問題があります。
B筋違(すじかい)の取り付け不良
筋違いも金物を使い、基準通りに取り付けた部分と、
引き抜き方向に釘だけで取り付けた部分があり、
釘だけで取り付けた部分は明らかに引っ張り方向の力には効かず、
欠陥筋交いになるのです。
この筋交いの件でも、外部周りで、よく見える部分には、
基準の金物が使用してあり、
内部の判りにくい部分は釘のみで取付けているのです。
意識的に取付け方法を変えたとしか思われない工事なのです。
C屋根の垂木と母屋の取り付け方が不良
垂木を母屋に取り付ける場合、母屋の垂木が当たる部分は、
垂木と面で接するように、母屋に垂木堀をし垂木を載せるように、
母屋に垂木堀をせず、垂木をそのまま載せて、取付けているのです。
このような部分でも、手間を惜しみ費用を安くしようとする考え方が、
見えてくるのです。
D補修費用の見積査定額の大幅な相違
補修費用の見積は、争いをしている最中に、
不安の為躯体の等の補修をしたので、さらに複雑になり、
未施工部分や補修部分、瑕疵(不良)部分を区別し、
そのなかで欠陥に対する費用を、
合理的に算出するのは難しいのです。
補修をした部分と今後補修が必要な部分とを、
差し引きし、補修が完了した建物として考えた場合に、
建主の支払うことになる部分と、
施工者の負担になる部分との区分けをする必要があり、
その費用を具体的に判りやすく区別して、
算出しなければならないと言うことなのです。
施工者が悪いのは判っていても、
その割合となると、とても難しく一筋縄では処理しきれないのです。
概ね上記の5項目が争点になっていたのですが、
この件の場合は1審と2審の2回に渡って裁判で争うこととなり、
余計に時間がかかったのも事実です。
欠陥住宅の裁判は、基本的に民事裁判ですので、
裁判で決着をつけようと考えて提訴しても、
まず調停をするように言われることが多いのです。
調停とは担当調停委員(2、3名)と、
話し合いをしながら解決方法を考える機関なのです。
調停では、月に1回程度の割合で、
書面の応酬と話し合いの場を持つのですが、
裁判のように最終的な判決を出すことはありませんので、
お互いの話し合いがつかなければ、もの別れとなり、
調停の終了となるのです。
調停で決着がつかない場合が多いのですが、
調停の話し合いの雰囲気は、その後の裁判の決着に対する時間の長さを、
暗示させる力は大いにあります。
しかし調停の場合、提訴した側も、された側も初めての経験の場合が多く、
言いたいことが山ほどあるため、お互いに歩み寄ることが出来ずに、
早めに調停の終了を迎えることが多いのです。
調停で決着出来る場合は少ないのですが、
感情的な部分は別にし、精神的な負担や裁判の時間の長さを考えれば、
調停で決着するのも良い選択と言えます。
ただし、調停で決着する場合でも裁判での決着と同じ効力となり、
債権の強制執行等も可能ですが、
同じ問題で再度異議を唱えることはできなくなります。
今回は以上です。
今回は実際の欠陥住宅の裁判の内容を伝えています。
長い裁判の為内容も多くなり、数回の連載になります。
次回をお楽しみに!
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