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☆☆☆ 【自分で防ぐ欠陥住宅】☆☆☆
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APSS設計事務所 菊池 です。
13・「あるカメラマンと欠陥住宅を造った業者との奮闘物語」後編
【自分で防ぐ欠陥住宅】です。
自分で欠陥住宅を防ぐための知識を、メールマガジン(MM)としてお送りします。
「住まい」造りに役に立つMMですので、楽しみながらお読み下さい。
前回の続きになります。
前回の概略、カメラマンのN氏が購入した木造3階建の建売住宅は、大変な欠陥住宅でした。
その欠陥を直してもらおうと、販売会社や施工会社に連絡したのですが、
仕上げを剥がして躯体を見ると、欠陥部分が増えるばかりでした。
そこで、内容証明を販売会社に出し、欠陥住宅の相談相手を見つけ出し、
欠陥内容を検査する相談をしたのですが、
新たに構造計算をして報告書を出すと60万円程度必要と言われたのです。
この欠陥住宅の顛末を詳しく知りたい方は、
野村 潔著「何これ、欠陥住宅じゃない!」旬報社刊をお読み下さい。
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「あるカメラマンと欠陥住宅を造った業者との奮闘物語」後編です。
60万円は高いとの思いで、内容証明の時に相談した、弁護士に再度相談したのです。
欠陥住宅を証明するには手間と時間がかかりますから、ある程度の出費は必要となります。
何処に相談しても、手間、隙がかかることになれば、
費用が必要になるのは当然のことですと、とその弁護士の教えられたのです。
よく考えてみれば解かることなのですが、欠陥住宅を引き当ててしまった人は、
自分は悪くないとの思いで、救いを求めます。
欠陥住宅を造った人達が悪いので、自分は全く悪くないと考え、
純粋に救ってくる人が現れるのが当然だと思い、
悪くない側に費用が必要になるのはおかしいと考えてしまうのですが、
弁護士であれ医者であれ宗教家でも、人を救うのにお金をもらって、
仕事として救いの手を差し伸べているのです。
救ってもらうのに費用がかかるのは当然なのです。
救いの手を差し伸べてくれる人達も、悪いことをした人ではなく、
善意の気持ちで仕事として協力してくれるのが、専門家のアドバイザー集団なのです。
その費用を問題を起こした側に後で請求できるのが、欠陥住宅の考え方です。
下手をして、調査費用を相手に払わせようものならば、
相手有利の調査になることも考えられるのです。
自分のために働いてくれる専門家には、自分で支払うのが基本なのです。
したがって、当面はどうしても費用を払っておかなければなりませんし、
その争いごとが長引けば長引くほど立替払いは増えていくことになるのです。
N氏の場合も、そのことに気づき、相応の負担を覚悟し、今までの問題を整理し、
専門家を味方に付け、有利な交渉をすることにしたのです。
問題事項を整理すると、
1.まだ誰かがなんとかしてくれると思っている。
2.損害賠償は問えないが、慰謝料は問える。
3.苦情を訴える先はある。(建築指導課、調停、裁判)
4.欠陥を証明しなければならない。
5.安価な調査は可能か問い合わせる。
6.最悪の場合契約解除はできる。
7.検査済証の有無の確認も必要。
N氏が問題の整理をしながら気づいたことは、
欠陥問題が発生し、藁をも掴む気持ちで専門家に相談する場合、
弁護士でも様々で、人の弱みに付けこみ法外な費用を請求する弁護士もいることが、
相談所で相談を待つ「欠陥住宅」を抱える、同様な人達の情報から伝わってきたのです。
適正な費用で確実に見方になってくれる専門家は、とても頼りがいがあり、
天の助けとも言える存在だと、理解できるようになったのです。
そこで、欠陥住宅を正す会で紹介された、Y設計士に連絡を取り、
調査費用の安くなる方法をたずね、可能な範囲で安くしてもらい、
徹底的に調査をしてもらうことにしたのです。
その欠陥の調査を、補修工事の途中にしてもらったので、
壁の中や天井裏の見え難い部分も、調査することが出来たのです。
当然N氏も一緒に助手として調査に加わり欠陥部分を確かめたのです。
調査の結果は、多数のナットの緩み、車庫上の梁以外にも破損した梁を発見、
良質でない材の使用と、梁の捻れもある、3階建てに必要なHD金物をはじめ、
筋違いプレート金物も確認できず、筋違いの量も不足している、との内容だったのです。
総合的に検討すると、耐力壁の量が、建物の危険側の短辺方向で風圧力、
地震力に対する水平耐力が不足しており、大幅な補強が必要となる。
その補強をしても、地震力に対しては安全にすることが可能だが、
風圧力に対して安全にするのは無理があるとの見解でした。
柱断面も図面は120角の表記になっているが、現状は105角であり、
耐力壁同様、風圧力には危険側になるとの判断になりました。
結局耐風圧に対しては現状の間取りでは、安全な建物に補修することは困難との、
報告書が出たことで、N氏は再度悩んだのです。
直らない欠陥住宅の場合、この「住まい」を売買する時にも価値が下がる恐れもあり、
また安全な建物だと言う事も出来ないのです。
欠陥住宅だと知ってしまうと、その欠陥を知らせずに転売した場合、
持ち主も不法行為として、責任を取らされる立場になります。
そのため近所に同様な建物があっても、その人が知らなければ、
良い建物ですよと売っても善意の売主であり、価値を下げずに売ることも可能なのですが、
欠陥を知った後は欠陥があることを告げる必要があり、資産価値にも影響するのです。
このような状況に陥る為、近所の人にも迂闊に話も出来ず、悩みも深くなったのです。
一般的にも、資産価値にも影響することですので、他人に素直に喋ることもはばかられ、
密かに事を運びたいとの思いが強くなることもあり、
欠陥住宅が、なかなか減らない要因の一つにもなっているのです。
さて、N氏は直らない欠陥住宅に悩みましたが、契約破棄して費用の返還要求を出しても、
素直に費用が戻りそうにないことも考えられ、同じような敷地が直ぐ見つかることも難しく、
引越し等の手間を考えた場合、耐風圧が少し危険でも地震には安全になるように補修して、
住むならば、現状よりは随分と安全性が増すことになり、補修することを選択したのです。
裁判に訴えても時間ばかりかかり、最終的な利益が少ないのが裁判の結論としては多く、
費用も心労も本当に大変なことを考えれば、N氏は最善の選択をした、とも言えるのです。
Y設計士のアドバイスもあり、補修工事の方向性がでましたので、
N氏は補修工事の先頭に立って自らも職人と一緒になって、補修工事に携わり、
Y設計士のチェックも受けて、一応満足のゆく補修工事が出来たのでした。
専門家のサポートがあれば、しっかり勉強することで、木造の補修工事の監督程度は、
出来るようになります。
第三者にお願いして監督をしてもらうと費用も相当かかりますので、
自分でも納得と満足が得られる、自己管理方式も時間が許せば可能性があります。
これでほぼ、補修工事が終了しましたが、欠陥発見より1年3ヶ月を要した、
「欠陥住宅奮闘記」としても、長い道のりが必要だったのです。
風圧力の件も、補修完了報告書としてまとめてもらった時点で、
都市部の建物が多い地域の風圧力は、少し減らして考えることが可能なデーターがあり、
そのデーターに添って計算をし直したところ、風圧力にも安全側になったのです。
最終処理として、合意書を取り交わしたのですが、その内容の主なものは、
1.是正工事費用は売主の会社が全額負担し、将来同工事が原因の補修工事も同様にする。
2.本建物の保証期間は、構造耐力上主要な部分を10年間とする。
3.N氏が調査を依頼した、諸機関への支払いも売主の会社が全額負担する。
4.N氏へ迷惑料として、100万円支払う
との合意書を取り交わすことができ、不満は残ったとは言え一応の満足を得たのです。
N氏の「欠陥住宅」の場合、闘争ではなく交渉事とするとの、気持ちで望んだため、
1年3ヶ月で最良の結果を得られることが出来たのですが、
「欠陥住宅」の多くは調停不調から裁判闘争になり、3、4年の歳月はあたりまえで、
裁判の結論としても、建替えるほどの費用を取れないのが一般的なのです。
その間の資金や精神的負担は計り知れず、本当に大変なのが「欠陥住宅」なのです。
紛争の審査を申し込む先に「中央建設工事紛争審査会」又は「建設工事紛争審査会」、
「都道府県建設工事紛争審査会」との公共の審査会もありますが、
これらの機関は、業者寄りと言われていますので、
紛争処理の場合は裁判所に申し出るのが良さそうです。
最初が肝心ですので、「欠陥住宅」を掴まないように、十分注意をし、
専門家の協力も得るようにして「住まい」造をしてください。
今回は「欠陥住宅」への対応の後編でした。
次回をお楽しみに!
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