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☆☆☆         【自分で防ぐ欠陥住宅】☆☆☆
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APSS設計事務所  菊池 です。


06・「居心地のいい家」(女性イラストレーターの場合)


【自分で防ぐ欠陥住宅】です。
 自分で欠陥住宅を防ぐための知識を、メールマガジン(MM)としてお送りします。
 「住まい」造りに役に立つMMですので、楽しみながらお読み下さい。

06・「居心地のいい家」(女性イラストレーターの場合)

 女性イラストレーターとしてご活躍の、M氏の場合は徹底した現場通いでした。
M氏の場合は、アトリエの建設だったのですが、住宅と同じような規模であり、
仕事中リラックスすることも大いに必要なため、「住まい」と同じように設計し施工をしたのです。
職業柄プランやデザインに拘った「アトリエ・住まい」を造ったのですが、
そのためには、現場の監督や職人達と突っ込んだ打ち合わせが必要になり、
毎日のように現場に足を運び、打ち合わせをし、指示を出し、
さらには気になる部分の施工まで手掛けてしまうのです。

「私とパトが建てた居心地のいい家」めぐろ みよ著 もご覧ください。  
http://homepage1.nifty.com/yuumi/book/women/women.html



 それでは概要ですが、イラストレーターのMさんは、会計士より賃貸アトリエに数十万円も、
支払うならば、アトリエを所有した方が良いと言われていたのです。
 その時、運命の敷地が近所に出現し、突然「アトリエ・住まい」を造ることになったのです。
その土地は、現在の住まいの近くにあり、明るいので気に入っていただけではなく、
M氏の愛犬パトの生まれた土地だったのです。

 この土地は建築条件付の土地であったため、施工会社や設計士も決まっていたのですが、
なんの支障も無く契約はとんとん拍子に進み、土地の購入が出来たのです。

建築条件付の土地の場合、基本的に3ヶ月以内に建物の施工契約を結ばないと、
土地の契約も破棄になるのが、通例です。
 従って、一般的にはほとんどプランの決まっている、建売住宅タイプが多いのですが、
幸運なことに、M氏の場合には注文建築と同様なスタイルで建築することが出来たのです。

 ただ、短期間で決めたプランでは、プランやデザイン、材料への拘りは満たされておらず、
契約時より追加工事や仕様変更が発生し、大幅な費用増加になったことは確かです。
 しかし、納得できる「アトリエ・住まい」にするためには、
必要な費用であり、時間と手間だったのです。

 M氏の建築との関わりは、本当に積極的なものでした。
 自分で仕事をしているメリットを最大限に生かし、プライベートよりも建築との対応を優先し、
毎日お茶を出し、打ち合わせをし、出来た部分のチェックをしたのです。
 
 いくら図面やカタログや見本で納得出来ていても、実際の空間や質感、バランスや
イメージなど、現場で並べてみると違った雰囲気になる場合が多く、
毎日現場でチェックすることによって、イメージの違いや部材の間違いなどを、
早めに指摘することが出来、変更する場合でも、現場の人たちの負担を、
軽減することが出来たのです。

 建築の仕事の流れは、建築物の大きさにはあまり関係なく施工されますので、
スケジュールを把握して変更可能な期限をしっかり把握しておけば、
あわてず済みますし、相手にも迷惑をかけずに済みます。

 こんなことも言っていました。「進行状況をこまめに写真に撮っておくのも役に立ちます。
日付を記録しておくのも忘れずに。後で追加したい部分が出たときなど、
中の構造がわかって便利ですし、何かのトラブルがあったときの証拠にもなります。」
この話も実際に工事に関わった経験から出てきたものなのです。

 また、M氏は気になることは、とことん解決するのが信条であり、疑問に思う部分は全て質問し、
イメージに合わない場合は、「ちょっと待って」が時々発せられたのでした。
 一番顕著な「ちょっと待って」は壁の厚みを利用した、小物置や小窓や欄間風の飾りです。
また、吹抜などの壁を立ち上げると、閉鎖的な空間として感じられるようになるので、
手摺の高さまでに低くしたり、壁に穴を開けるなど、壁の積極的な利用を考えたのです。
 壁の雰囲気は、内部空間を実際に見て見ないと、イメージが浮かびませんので、
内部空間での変更が生じるのは、ある面しかたのない事なのです。

 さらに、「ちょっと待って」を多用すると、現場の連帯感を壊す可能性がありますので、
スケジュールや段取りを把握し、前もって職人さんたちに確認しておき、
最終的に現場の責任者に対して、上手に使うことも覚えたのでした。

 建築の場合は、一度仕上げまで、きちんと施工してしまうと、やり直すのには時間も費用も、
そして職人達の精神的な負担も大きななものとなり、
その後の工事の士気にも影響が出かねません。
 このような配慮が出来ないために、素人の口出しは現場では嫌われるのですが、
毎日のように現場に通い、職人さん達とも気心が知れ、スケジュールも把握して、
なおかつ、信条として許せないものだけを直してもらう分には、
現場の職人達や現場監督も、その気になって手を貸してくれたのです。

 よく現場で勘違いをする人がいますが、施主であるからと言って、
命令できるものではありません、現場の仕事の流れに水を指すことですので、
丁寧にお願いするとの気持ちがあってこそ、気持ちよく対応してくれるのです。
 現場が勘違いして間違っていた場合でも、間違いをはっきり指摘し毅然とした態度で、
交換等を申し出ることで、気持ちよく対応してもらえるのです。

 M氏の場合は、イラストレーターだけに、色やテクスチャー、手触りなどにも拘りが強く、
このようなこだわりをもった仕上材を一旦決めたあとで変更するのには、
かなり気を使う必要があります。
 人の感性は他人には理解できない場合も多く、人が納得出来ないような変更の場合には、
感情的に気が乗らなくなり、仕上の雰囲気が逆に悪くなることもあるのです、
特に左官工事などにこの傾向があります。

 M氏の場合の変更箇所は
・手摺をシンプルに
・和室の天井はOPから和紙貼
・和室に天袋
・和室に掘りごたつ
・3階床は白ペイント、天井に排気口
・梁にぶら下がり用のパイプ
・各ドアに欄間
・階段下に収納スペース
・バルコニーにコンセントと照明と蛇口
・カーポートの散水栓を洗面台に
・カーポートにスピーカー
・リビングの照明をダクト式からワイヤー式照明に
・玄関錠を電気錠に
・トイレとキッチンに埋め込み棚
・脱衣室にパト(愛犬)用の出入口
・3階天窓下に収納棚
・3階小屋裏にロフト
・3階からの吊椅子
・3階トイレの外に洗面台
 などが変更箇所ですが、普通に「住まい」を造る場合にも、
参考になる項目が多く含まれています。

 後悔しないためにも、積極的に施工に関わり、職人達と一緒になって
「住まい」造りをすることが、自分や家族の個性にあった「住まい」を造ることであり、
さらに楽しむことが、「住まい」造りを趣味的なレベルに変化させ、
その「住まい」に居ることだけで楽しくなるのです。

 イギリスやアメリカなどでは、日曜大工が趣味として大いに楽しまれており、
さらに、メンテナンスが行き届いた「住まい」は転売時には、高値が付く実益もあるのです。

 尚、【自分で防ぐ欠陥住宅】は年内は今回で終了させていただきます。
次回は1月の第2週からの予定です。
 皆様本年はありがとうございました。
 明年が良い年になりますようにお祈り申し上げます。

 次回をお楽しみに!


admini@apssk.com
APSS設計事務所  菊池聖史

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