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☆☆☆         【自分で防ぐ欠陥住宅-04】☆☆☆
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APSS設計事務所  菊池 です。


04・「自分で創れば「住まい」は宝の山」


【自分で防ぐ欠陥住宅】です。
 自分で欠陥住宅を防ぐための知識を、メールマガジン(MM)としてお送りします。
 「住まい」造りに役に立つMMですので、楽しみながらお読み下さい。

 今回は欠陥ではありません、自分で「住まい」を創ってしまった、A氏の話です。

 普通には、なかなか無理なのですが、実際に「住まい」を自分の腕で創ってしまう人もいます。
その一人、ジャーナリストのA氏は、故郷の丹波の山奥に、間伐材を利用して、
立派な、「住まい」を創り上げてしまったのです。
 大工や監督、設計士など、建築に携わっているプロには思いも付かないような、
アイディア一杯の、本人曰く「創作住宅」が1年半の歳月をかけて、出来上がったのです。

 A氏(青木 慧氏)創作の「住まい」と、A氏が主宰する山猿塾などが見られます。
http://homepage3.nifty.com/satoshi-aoki/index.htm

 概要は、還暦の前年に首都圏を脱出し、丹波の山奥に土地を買い求め、
自然食によって暮らすことを目指したA氏は、
まずは「住まい」を建てることから始めなければいけなかったのです。

 「住まい」に使える費用はおよそ500万円、これで30数坪の「住まい」に挑戦したのです。
自然の材で建てたいとのこだわりは、A氏の生き様に通じている考え方であり、
 ハウスメーカーや工務店等が使う、新建材やベニヤ、集成材等の、
化学物質が使われている建材は一切使用せず、基本的には地場の木材だけを使って、
「住まい」を創るのが目標であり、挑戦でもあったのです。

 奥さんの協力もほとんど受けず、ただボランティアの人や見習いとしての、
山猿塾のメンバーが多少協力してくれた部分があるものの、ほとんど全て、
A氏が一人で創り上げた「住まい」なのです。

 最初のうちは、昔馴染みの友人から、製材所関係の人たちまで、
こぞって無理だから大工を頼むように、忠告していたのですが、
創作住宅が出来上がってくるのに従って、大工や職人まで進行状況を、
楽しみに見に来るようになったのです。
 それだけ独創的で、棟梁や職人達にも参考になる創意があふれた「住まい」に、
なっていったのですが、それも自分で施工することによって、施工の常識にとらわれない、
アイディアを実現していったからに他なりません。

 材料はほとんどが、地場の杉林や檜林に手入れが出来ないで、放置されていた、
間伐材なので、材自身はタダでくれるとの話であっても、切出しには費用がかかり、
結局1本あたり1000円以上の費用は必要となったのです。
 床壁天井全てに地場の木材を活用して、使った丸太は500本以上となり、
そのほとんどを、木の皮むきから、部材に製材するまでの工程を一人でこなし、
「住まい」に仕上ていったのです。

 接着剤は、建築にはなくてはならない材料ですが、
この材料でも化学合成の接着剤は一切使わず、昔から使われていた、
卵白に小麦粉を混ぜた自然素材の卵白ノリを使用する徹底さです。
 防腐防蟻材は、自宅の暖房の薪ストーブで副産物として採取できる、木酢液を使い、
建具も木製にガラスの建具としているのです。網戸だけが、サランの網を使ったそうですが、
これもステンレスの網の存在を知らなかったからだそうです。
 
 屋根の防水用のアスファルトルーフィングとスレート系の瓦は工業製品を使ったのですが、
その他は間伐材や裏山の使われない立木の利用で済ましたのでした。

 なかでも、アイディアと面白みの感じられる、木材の使い方を何点か上げると、
雨戸兼用テラス、雨だれ返しの板材、長椅子兼用ベット、下から上げる日差し除けカーテン、
中庭の天井に置く網戸、屋根裏や天井頂点の換気用五角形窓、表札兼用呼び出し木琴、
水平サルのような木製足かけ鍵、小枝の二股使用ドアノブ、
クスノキの粉を入れた卵白ノリのシール材、床下に撒いた籾殻の燻炭、と、
等々自ら家造りをしないと考え付かないような機能満載の、創作住宅が出来たのです。

 職人に頼んだ作業は、布基礎と設備部分だけであり、
この部分は工業製品が多量に使われるのを止める事は出来なかったそうです。

 ログハウスのように見える「住まい」ですが、構造は在来軸組工法で柱と梁を組上げて、
内壁と外壁兼用の丸太の半割り材を柱に張り付けた工法を採用しています。
 在来軸組工法は、日本の風土に合った建築工法であり、風通しが良く材の腐朽が少なく、
湿度にも強い工法なのを認識して、造ったものなのです。
 純粋なログハウスの場合は、丸太を寝かせて使うため、
日本の風土では基礎に載せる部分が傷みやすく、
さらに丸太の水平使用は材自体のヤセが有、
そのための、開口部に調整シロを取る必要性が施工を複雑にし、
隙間が多くなる欠点に結びつくのですが、軸組構造に半割材を張る場合は、
材同士のジョイントで、さね部分を多めに施工することで、
材ヤセにも対応でき、腐朽の場合の材の交換も容易になり、
メンテナンスへの対応も楽になるのです。

 自分で造る場合の、最も良い点は造る毎に実際の施工内容が理解できるようになり、
次々にアイディアが浮かび、改良しながら、「住まい」創りが出来るところなのです。

 ひるがえって、考えてみると「自分で防ぐ欠陥住宅」でも、自分で積極的に、
「住まい」のあらゆる部分の撮影をすることにより、疑問が発生し理解出来ない部分は、
質問により認識出来るようになるので施工に対する理解が深まります。
 間違いや、問題点であったとしても、指摘をすることが出来るようになり、
改善をするように、申し入れることが出来るのです。
 自分で熱意をもって、積極的に行動することで、「住まい」の質は向上し、
欠陥住宅から、「住まい」を守るだけでなく、
「住まい」と施工に対する理解を深めることが可能になります。

 自分で、「住まい」を造ってしまうのが、欠陥住宅から守る、
最も良い「住まい」造になるのですが、一般の人にとって、
自分で「住まい」を建てる事はほとんど無理に近い話です。

 次善の策として、写真撮影で「住まい」創りに参加し、沢山の記録写真を撮り、
間違いや、問題点を発見できた場合には、早急に改修の申し入れを、
気軽にすることができるようにしておくのが、次善の方法なのです。

 「やったぜ わが家を自力建築」(毒漬け住宅に住めるか):青木 慧 著 汐文社
をお読みいただければ、詳しい内容がわかりますが、自然派住宅と言うのではなく、
自分で「住まい」造りに携わることがいかに大切で、気付くこともたくさんあり、
さらに創造の楽しさも味合えることが、解る本ですのでぜひお読み下さい。
 近くの図書館にもあるのではないかと思います。



 次回をお楽しみに!


このメールのサイトを参照する場合は下記をご覧下さい。
http://www.apssk.com/

今回は以上です。


ありがとうございました。


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