◇◇「第三者検査を依頼してきたAさん」−01◇◇
◇◇◇ present by APSS・住まい研究所
APSS・住まい研究所の 菊池 と申します。
「品確法で住まいは守れるか?」のNO.04です。
「基礎が不安で第三者検査を依頼してきたAさん」
(第三者検査については下記参照して下さい。
http://www.bekkoame.ne.jp/ro/apssk/sannsya/sannsya1.html)
先週「基礎が不安」とのことで、Aさんがいらっしゃいました。
内容としては2階建ての木造住宅で、延べ35坪程度の住宅ですが、
土地の便利が良いのでと、私鉄の駅近くの土地を建築条件付きの不動産として
街の不動産屋さんから購入したものでした。
建築条件付ですので、基本的には建売と同様の扱いですが、
買い手は建物に対して注文を出せることと、施工現場を見ることが出来る点が、
建売より安心出来るところですが、注文を出すと値段が上がるのが難点です。
このAさんは、話しもまとまり確認申請も終わり工事に着工したところ、
基礎を造り始めたのですが、この基礎がベタ基礎と言う基礎であり、
馴染みが無かったことと、敷地の土を全く掘りもせず、砕石をまいて鉄筋を配筋し、
コンクリートを打ってしまったとのことです。
見えられた時に砕石工事や配筋時の写真を持ってこられました。
この写真を見ますと、砕石工事は砕石をまばらに敷いてあるだけ、
目つぶし砂利も締め固めもしておらず、砕石を敷地の土の上に置いただけの
状態に配筋がしてありました。
この状態でどんどん工事が進むと聞いて、至急見る必要があるとの判断をし
すぐさま、現場の状況を見にAさんと一緒に出かけて行きました。
現場の状況を見ますと、本当に全く掘った形跡はなく、敷地の土の上に砕石を
敷きコンクリートの基礎の底盤(基礎のスラブ部分)のコンクリートを
打った後でした。
基礎立ち上がりの配筋と型枠を造っているところで、横から底盤の小口と砕石の
一部が見えていましたが、配筋や基礎の寸法を正確に出すための、
捨コンクリートは打っていませんでした。
基礎設定の地盤を現状の土の状態とし、根切り(敷地の地盤を出すために
少し掘り下げる作業)もしていないので、この敷地の
土の中の状態が、見ることが出来ず、地盤の耐力が不明な点が心配、
さらに捨コンクリートを打っていないので、基礎の寸法の精度が心配、
締め固めしていないので、地盤の強度が強くならず地盤強度の補強も心配、
と心配が3つも重なってしまったのです。
その現場にいた監督さんの助手に話を聞きましたところ、
「この敷地は前の道路より低くなっているので、なるべく高い位置に
建物を造りたいので、根切りはせずに直接砕石をまいてコンクリートを打ちました。
地盤とする土の状態もけっこう固かったのでそのまま使用しました。」
との話で、締め固めをしましたかの問いに、「良くしましたと答えたのでした。」
建物を高い位置に造りたいのは分かりますし、先日の名古屋地方の大雨を
見ているので、当然だと思いますが、土の中が分からないのは困ります。
本来ならば、基礎の立ち上がり部分の高さを高くし少し土に埋め込むように設定し
地盤の確認をするのが当然なのです。
関東地方ならば、赤土層を確認すると地盤調査をやらなくても、木造の2階建て
程度ならば、安心できます。
また、砕石でも大粒の砕石で締め固めをしっかりやれば、少しは地盤の強度が
増し、プラスに働きます。
さらに、捨コンクリートを打、基礎の寸法精度が高くなれば、
土台とアンカーボルトの位置にズレが生じず、無理な力をかけなくて済みますので、
構造強度の確保が出来ます。
しかし、Aさんの住宅の基礎の場合不安の要素は沢山ありました。
そこで、Aさんと話し、第三者のコンサルタントとして、施工の指示を出している
不動産屋さんに一緒に早急に行って話し合いをすることにしました。
不動産屋さんに出向いてからの話は来週報告致します。
ありがとうございました。
予定が変わりましたので、「日本住宅性能表示基準」の中の
9つの「性能項目」については後回しにします。
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