高気密高断熱住宅の床下を考えて見ましょう。
床下には外気を取り入れ床下の乾燥を考えなければいけませんが、その外気と
室内の壁や床から漏れだしてきた空気が混ざり合い夏でも冬でも結露を起こす
可能性が高い場所です。
戦前は床下に布基礎など無く、束石に束や柱が載っている状態でした。
このため、床下の風通しはとても良く、さらに室内室外共に屋外の空気と変わる
ことのない空気でしたので、地盤の条件の悪い家以外は問題はありませんでした。
戦後建築基準法が出来、耐震性の面から布基礎が一般化し始め、床下の湿度が高まり始めたのです。
それでも、布基礎が出来た当初は地面からの湿気のみで、室内はすきま風だらけでしたので、暖房をいくらしても床下に暖気が廻ることが少なく、壁からほとんど逃げていましたので、それほど問題になりませんでした。
土からの湿気を床下換気口で逃がしてやれば良かったのです。
その後、暖房だけでなく、冷房も各家庭に入るようになり、断熱材が壁や天井に入れられるようになると、中途半端な断熱材が暖気と冷気を混ぜる結果となり結露水を断熱材が含むようになります。
さらに断熱材の結露水は徐々に土台に流れて集まり、床下の土部分からの湿気のため蒸発せずカビ、ダニ、細菌等の温床になり、湿気が多いためシロアリも集めて、さながら細菌の培養液状態となっていました。
この時期はカビやダニによるアレルギー症やアトピー性皮膚炎程度の病気でした。
それ以後は湿気対策のため、床下の湿気を出さないように防湿シートを土に被せ捨てコンを打ったり、壁や床に断熱材を多く入れるようにして湿気を減らそうとしました。
しかし、相変わらず土台付近の湿度は高く、シロアリ、カビ、ダニが繁殖し、アレルギー症やアトピー性皮膚炎が増えていたので、シロアリ、カビ、ダニや細菌等を殺すために、化学物質が多量に使われるようになり、今度は化学物質過敏症やシックハウス症候群なども出回って来たのです。
そこで、防湿シートを室内側の下地の下に貼ることにし水蒸気を遮断しようとしましたが、隙間からの漏れが多く、あまり効果を上げていない状態なのです。
床下を見ますと、床下の土からの湿気は何とか塞がれていますが、建物廻りの土の部分からの湿気が床下換気口から床下に入っていきますし、防湿シートや断熱材の隙間から漏れてきた、暖気や冷気と外気が混ざり合い、結露を起こし、乾燥状態にならないのが現在の床下なのです。
布基礎ではどうしても中途半端になります。
床下換気口を大きくすると構造的な問題がでてきますし、無くしてしまうと床下の空気が滞留しより湿度が高くなり、今以上に問題が大きくなります。
そこで、建設省や公庫などは高気密高断熱との考えを提唱してきたのです。
高気密が基本となり、湿気や室内の空気を逃がさないように部屋単位でくるんでしまおうとの考え方です。
断熱材は外壁廻りと屋根、1階床部分が対象です。
気密シートは各部屋をくるむことになります。部屋境の壁には通気止めの断熱材を押し込み通気を出来なくしています。
したがって、柱や梁、間柱の廻りの空気は動かなくなります。
床下は室内から漏れてきた空気と外気が混ざり合います。
昔から言われていますように、お寺や神社などの外部の動く空気に触れている構造材の木は長保ちします。動く空気に触れていることが、木が呼吸をし自分で良い状態に調節するからこそ、長保ちするのです。
木の回り空気が動かず十分な呼吸が出来ない場合は、木が窒息状態となり、木の保ち悪くなり、さらに湿気の蒸発が少なく、木の水分が多くなりカビ、シロアリなどの被害に遭うのです。
現在建設省や公庫で考えられている高気密高断熱の仕様は、躯体の木が生きていることを無視した考え方で仕様を考えています。
またまた木造住宅の寿命を縮める仕様を省エネのかけ声で進めていることになるのです。
私どもの提唱している「外断熱スパイラルエアー換気システム住宅」は床下を室内扱いにします。
室内の空気と屋外の空気が混じり合って滞留する場所を無くしたのです。
さらに、基礎をベタ基礎にし断熱材でくるみ、蓄熱層にしました。春、夏、秋
の快適な温度20−25度の空気から熱を蓄え、冬に放熱し床下から壁の中を通る通気で、室全体を柔らかく暖めます。
壁の中は室内の空気を常に流し、躯体の木材の呼吸を助、水分を減らします。
室内はもとより、基礎内、壁内、小屋裏までも室内の空気を流れさせることで、建物全体の呼吸を助け、建物の耐久性を大幅に向上させる工法です。
「外断熱スパイラルエアーシステム住宅」が従来の住まいと決定的に違うところは、
外断熱の効用により、基礎内、壁内、小屋裏までも室内扱いに出来、室内のすきま風を生かせるところなのです。
隙間のある板材を張る内装も可能ですし、押入の湿気も壁内に逃がせるため、すのこ板など不要になります。
必要な時だけ空調を使い、熱を有効に使い、耐久性のある、新しいタイプの空気の流れる住まい言えます。
スパイラルエアー換気システム住宅の概念図
「外断熱スパイラルエアーシステム住宅」の特徴 床下室内扱い 防腐防蟻材不要・基礎蓄熱槽 空調の壁内回遊 2次空調として省エネ 壁内空気の流れ 躯体の耐久性増大 全体の空気の流れ 空調補助・化学物質消去 外断熱 内部結露の心配なし 押入・物入 壁中排気で湿気なし 家中の空気オープン 家族の触れ合い増加
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