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◆         健康と住まい−27  ◆◆◆
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◆◆◆◆                 present by apssk


朽木 醒(くちき あきら)と申します。

健康と住まいの27回目になりました。



27・多くの工法から「住まい」を選ぶには?-1(在来軸組・2x4)

新年おめでとうございます。 
 本年が皆様にとってより良い年になりますようにお祈り申し上げます。

 今回から数回は、少し基本に戻って、乱立している、「住まい」の建築工法の中で、
 自分に合った「住まい」にするための、住宅の建築工法の選び方について、
 話して行きたいと思います。

 今国内で造られている、木造住宅の建築工法は大きく分けて、3種類に分類できます。
、2x4工法、そしてプレハブ工法です。又材料で区別する考え方もあり、
木造、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨造(S造)、コンクリートブロック造です。
在来軸組工法、2x4工法、は木造ですが、プレハブには、木質系、コンクリート系、鉄骨系があり、
それらをハイブリット化した構造として、木質+コンクリート系、コンクリート+鉄骨系等々さまざまな、
材料と工法が存在し、長所と欠点を競い合っています。
 断熱材の材料も金融公庫の仕様書に載っているものだけで、10種類を超えていますし、
最近シックハウス関連で、基準法で義務づけられた換気方式も沢山の工法が考えられています。
仕上材も、化学物質の関係で注目を集めている自然素材から、工業化製品まで、数えられないほどの
種類がつくられています。
 これらの工法や材料の中から、自分の住まいの目的にあわせて、
何を選びどのような「住まい」にするのかを、考える必要があります。
工法や材料を選び出す作業は、一般的には何処に注文するかで半分自動的に決まってしまうのが、
現在の、「住まい」づくりの流れであり、一般的なやり方になってきてしまっています。
 したがって、それらの工法や材料の長所欠点を把握し、自分たちの流儀に合った「住まい」づくりの
参考になる、資料として主な工法や材料について、これから徐々に解説してゆきます。



A.基本的な工法について





1.在来軸組工法:



 日本の古来から行われている伝統的建築工法であり、
柱と梁で躯体(構造体)を造り、筋違い(柱間に渡した斜めの変形止部材)や、
火打梁(梁と梁の直角部分に補強として斜めに取付けた部材)などで補強し、
強度を保ちながら、開口も大きく取れる工法。
 プラン(間取り)的にもデザイン的にも自由度が高く、応用も利くが伝統的な技術や知識が
無いと問題を起こすこともある。











 構造的強度に関しては、計算し難い面を持ち、そのため壁や床の強度に余裕を持たせて、
設計をすることが多く、構造的に余裕を持った建築になるとも言える。
 躯体自身の換気の面でも、床下、天井裏、小屋裏等に、通気スペースを確保し易く、
木組み等がキチット出来る棟梁が施工すれば、長持ちする木造住宅を造ることが可能。
 日本の古くからの神社や仏閣は木造軸組工法であり、我が国の気候風土にも適した、
工法と言えます。世界各国での古い木造建築では、ほとんどが軸組み工法で造られており、
歴史と実績においては、他の追随を許さないほど、沢山の建築に使われている工法です。
 近年は無垢材だけではなく、集成材も多用されるようになり、間伐材や樹齢の若い材も
使用出来るので、自然破壊を招くようなことも少なく出来る、集成材は無垢材より構造強度においても
2,3割強度が高くなるので、集成材を使用した軸組工法も多くなりってきています。
 居住性から考えると、プラン的自由度が高い分個人の生活に合った計画が出来るので、
居住性は良いと言えますが、気密性や遮音性に関しては少し落ちることになります。
 また、在来軸組み工法は、ほとんどが現場での作業となり、大工や職人の姿勢によって、
良さが変わってくる面を持っています。どの工法でも現場作業が多ければ多いほど、
職人の差が現れてくることが多く、仕事のばらつきも大きくなります。




2.2X4工法:




 ツーバイフォー工法と読み、簡易壁式工法であり、専門のハウスメーカーが、
多数存在しています。現在は高級工法のように思われていますが、発生時の本来の考え方は、
簡易工法として発達してきた経過があります。
 2x4とは2インチかける4インチ(約50mmx100mm)の部材と合板でほとんどの材料を、
まかない、壁と床をパネル状にして、躯体を造る工法であり、あまり大きな開口部を作るのには、
向いていない工法です。





 また、組み手(木組み)を使わず、釘打ちでほとんど施工する工法であり、大工の専門職でなくとも、
施工が容易な反面、見えない部分の施工が疎かになる傾向があります。
 組手や通し柱を使わず、2x4部材に薄い合板(7〜12ミリ)を釘だけで留めて、
強度を持たせる工法であり、金物類もほとんど使わず、施工が出来る工法で、
北米地域で、専門の大工でなくても家が立てられる工法として発達してきたのが2x4工法です、
わが国内でも多能工的な職人が請負うこともあります。
 躯体内の壁も階ごとに2x4部材を繋ぎ合わせて使うため、ファイアーストップの
役目を果たす壁とされている。ファイアーストップとは、火災の時、壁の中を火が伝わって
上階に燃え広がるのを防ぐ材料の事であり、防火的な観点からはある程度効果が見込める。
 逆に、壁の中の通気を考えると、壁の中の通気は2x4部材のために阻害されており、
ほとんど壁の中の通気は出来ず、壁の中に結露や、接着剤や防腐剤の放散があっても解消させるのが、
難しい工法なのです。 


 また、1階と2階の間の天井は太鼓張り効果が出やすく、二階での音を床と天井の間で共鳴させて、
1階に伝える性質があり、外部への防音は良い反面、内部での音の問題が出る可能性がある。
 構造強度的には、壁パネルで力の分散をはかるため、軸組み工法より強度を計算し易くまた、
構造強度も強いと言えます。しかし、壁構造的な計算が出来るため、バランスの良い壁配置が
必要となり、さらに計算精度が良いことで、構造強度の余裕もあまり取らずに設計することが多く、
設計の自由度も、壁配置のバランスのため、フレキシブル出来るとは言えない面がある。
 軸組み工法ほどの自由さはないが、強度面とコスト面の有利さが2x4工法を増やしている
要因であるが、本来は湿度の少ない地域や、気候の安定した地域向きの工法と考えられる。

  次回は2週間程度で発行します。(プレハブ住宅編です)

 今回は以上です。



 「外断熱スパイラルエアーシステム住宅」のページです。 apssのhp参考にしてください。 http://www.bekkoame.ne.jp/ro/apssk/kennkou/kennkou1.html



ありがとうございました。


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