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◆         健康と住まい−25   ◆◆◆
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◆◆◆◆                 present by apssk


朽木 醒(くちき あきら)と申します。

健康と住まいの25回目になりました。



25・「住まい」の換気に対する自治体の対応は柔軟?


 明日、7月1日より、シックハウス関連の建築基準法が、施行されます。
もうほとんどの自治体で、シックハウス関連の法規によりチェックをしています。
 7月に着工する住宅には適用されるとのことで、6月に確認申請を提出した建物は
ほとんど、シックハウス対応を課せられました。

 私も、提出した住宅がありましたので、自治体の担当者に話を聞きました。

基本的に内装材にはF4☆(一般的にはF☆☆☆☆と表示:以前のFc0より1ランク上の
化学物質の放散の少ない建材)を使い、下地や屋根裏・押入等には、
F3☆(以前のFc0同等の建材)を使うと材料に対しての面積の制限は無くなります。
より安全な建材にし、発生源からのVOCを減らすのは、一番基本の考え方です。

 さらに、発生源の材料を可能な限り少なくしても、殺虫材や、防虫剤、電気カトリ
にヘアースプレー、水虫薬に未対応家具など、現代の住まいでは室内で放散されるVOCは
無くなりません。

これらの汚染空気の排出の為に、換気扇を設置し0.5回/h以上の室内空気の
換気を行うことも義務付けられました。

 換気に関しては、24時間可動を条件にトイレや浴室の換気扇も換気装置として、
使用しても良いとの判断でした。但し、扉が引戸かアンダーカットをした開戸を使用
する必要があります。

 一般的にはトイレも浴室の換気扇も100?/h程度の排気量の換気扇が、
使われていますので、2階と1階にWCのある住宅の場合300?/hの換気量となります。
したがって、600?までの住宅ならば、この換気扇だけでも換気扇としては有効です。
600?とは平均的な住宅の天井高さが2.4mであり、面積としては250u(75坪)
程度の住宅までトイレと浴室の換気扇で、法基準的にはクリアーできるのです。
これだけ大きな面積の住宅は多くはありませんので、ほとんどの住宅が、
WCと浴室の換気扇でクリアーできるといえます。

 但し、換気の件は、法基準をクリアーできれば良いと言うものでもありません。
気体の動きは目に見えないだけに、非常に把握し難いのが、気体をコントロールする
難しさです。

 量的には、トイレや浴室でOKですが、間仕切りを通しての気体の移動は、
滞留する場所が出来てしまいます。
 上手に給気口を配置しても、なかなか全ての空気をコンスタントに交換することは
難しいものなのです。

 空調の無い所で夕涼みしたことがある方は、お解かりになると思いますが、
風の通る場所と通らない場所があります。
 一部屋の中で窓を開けて風を通しても、このような現象が起こるのです。
ましてや、小さな吸気口と扉のアンダーカットの隙間の間を流れる空気が、
部屋全体の換気を隈なく交換することには無理があるのです。

 従って、なるべく各部屋に給気口と、排気口を付け部屋毎に換気を行うことです。
換気量はあまり多くすると、気流の動きが早くなり冬寒さを感じるので、
0.5回〜1回程度を目途にして、換気計画を立てる必要があります。

 簡単に言えば上記のような言い方になりますが、部屋の大きさや形状、窓の位置、
空調機の吹出し口の形や方向、家具の位置や、照明の配置、人の有無さらには壁や床の
仕上材まで影響して空気の流れを速めたり、阻害したりします。
 この空気の流れを上手に作り出すためには、広い面的な給気口で吸気をし、
反対側で同じく広い面で排気をすることです。

 こう考えると、古い神社や仏閣の扉がまさにその通りの造りになっており、
広い面的な扉を開放すると、全体を隈なく換気し人ばかりではなく、
建物のリフレッシュを行えるようになっていることに気が付きます。
 昔の建築物は何時でも全面開放の通気が行える事で、
人や建物までを、健康にしていたのですが、現代ではそのような訳にはいきません。

 廻りの建物状況や、風向き、植物の状態などを考慮に入れて、給気口を設定し
排気口は給気口と対角になるような位置に計画します。
この考え方が基本ですので、その上でその部屋に合った配置決める必要があります。

 このように部屋の換気1つを取っても、理想的な方法を考え始めるときりがありませんが、
要は、常時換気をなるべく各部屋単位で行い、滞留などは窓の開け閉めや人の動き、
扇風機、や掃除機の気流など、生活の中で対応していくのが、
費用もかからず、省エネの観点からも良いことです。

 これからは、換気装置が巧く働かない住宅は、既存不適格となり、
改修等の時には、換気装置の改良も義務付けられますが、
もう一つ気を付けなければならないことは、この法律を隠れ蓑に商売をする人が
出てくることです。
 こちらも室内の換気と同様に十分注意しなければいけない問題です。


 今回は以上です。



 「外断熱スパイラルエアーシステム住宅」のページです。 apssのhpに載せて置きました。 http://www.bekkoame.ne.jp/ro/apssk/kennkou/kennkou1.html



ありがとうございました。


apss設計までをお願いします。

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