Main に戻る


◆         健康と住まい−22     ◆◆◆
◆◆
◆◆◆
◆◆◆◆                 present by apssk


朽木 醒(くちき あきら)と申します。
健康と住まいの22回目になりました。

22・「本来の快適空間とは?」

 「本来の快適空間とは?」です。
 最近日本全国で30℃以上、場所によっては35℃以上の、
とても暑い日が続いています。
 皆様には暑中お見舞い申し上げます。
 ところで、今朝5時半に目覚めてみますと、涼しい風が吹いていました。
 自宅の外の、直接日の当たらない場所に温湿度計を設置していますので、
チェックしてみますと、気温27.9度、湿度74%でした。
 風が1〜2m吹いており、とても涼しい感じがしました。
 そこで、7:30、9:30、と調べてみましたが、
 7:30…気温30.2度、湿度64%、風2〜3m
 まだ過ごせる程度の涼しさが感じられました。
もちろんクーラーなど使っていません。
 9:30…気温33.6度、湿度45%、風2〜3m
 さすがに、ちょっと暑さを感じましたが、まだ十分にクーラー無しで、
過ごせる状況でした。
 人の感覚は大きな違いがありますので、一概には言えませんが、
湿度が低いと結構な暑さでもそれほど暑く感じません、特に直射日光さえ遮ると、
十分に外の風で過ごせる状況にあると言えます。
 夏の暑さは、体温と同程度の35℃前後になると、猛烈な暑さを感じます。
これは、気温が体温以下の場合には体から輻射熱が出て、
放熱している状態ですが、外気温が体温以上になると、
体からの放射熱が無くなり、逆に外部から体に向かっての輻射熱が急に増える為です。
 体は、盛んに汗をかき気化熱を使って、体温を一定の温度に保つように、
コントロールしているので、気温35℃以前は湿度が高いと気化熱の邪魔をして、
暑く感じます。一方35℃を過ぎると、輻射熱が多くなり猛烈な暑さを感じるのですが、
これに湿度が加われば、さらに暑さを感じることになります。
 ともかく、温度が30度あっても湿度が70%前後で、
1〜2m程度の風がある状態ならば、それほど暑くなく過ごせるのです。
 温度が多少高くても外気が快適だと感じるのは、
室内での上下の温度差がほとんど無いことも影響します。
 冷房を不快に感じる人の多くは、直接冷気が身体に当たる場合と、
室内での上下の温度差が3−4度以上もあるときです。
 要するに、体に温度差が出来ることが不快に感じる大きな要素です。
 窓からの自然の風と、扇風機の風とどちらが快適かを考えれば、
直ぐに解ることだと思います。
 扇風機で作り出す人工的な風の場合、近くに置く場合と遠くに置く場合、
首を振らない場合と首を振る場合でも快適さが違ってきます。
 どちらの場合も一定の風を一定の部分に当てられることで、
身体に温度差が生じ不快感を増すことになります。
 以上のことを考え合わせて見ると快適性の根元は、室内でも、身体でも、
なるべく温度差が生じないような空間にし、空調方式も同じようになるべく温度差が、
生じない空調方式を使うと、あまり不快にはならないのです。
 春秋の季候の良いときは、なるべく窓を開けて過ごすことが快適に感じるのは、
温度が快適なこともありますが、地面やアスファルトの温度と外気が同じ程度であり、
人の廻りの環境に温度差があまりないことも快適さを感じさせる要因と
なっているのです。
 住宅が身体に与える快適性は、いかに室内の温度差と身体的な温度差を、
 小さくするかを考えて、設計するかと言うことになります。
 この観点から住まいを考え設計し施工した住宅はとても少ないのです。
 室内の温度差を小さくする為には、高断熱、高気密にする必要があります。
 さらに家全体の室内にも温度差が少なくなることです。
 家の中に、冷房や暖房をする部屋と、しない部屋がある場合、
どのような断熱方式、気密方式でも家の中に温度差が生じてしまいます。
 冷房や暖房をするにしろ、しない時期にしろ、室内と屋外との区別のしかたが、
中途半端にならずに、区別が出来る考え方なのです。
 50年前では、夏は風通しをつくり、冬は風を遮断し手あぶり等のみで、
すごしていました。
 良く考えてみますと、手あぶりの手の先部分は別として、
部分的に暖めたり冷やしたりはしていません。
 服や布団で暖をとる場合も、水浴びや夕涼みで涼しさを感じる場合でも、
身体全体を対象としていましたし、家の中の温度差もほとんどありませんでした。
 空調器機が発達してきて、状況が大きく変化したのです。
 現在のオフィス空間はセントラル冷暖房があたりまえです。
 ただし、セントラル冷暖房でも吹き出し口の位置や風量、断熱のばらつきにより、
部分的に温度差が出来るてしまう場所がありますので、部分的に不快になる人が、
大勢発生します。
 空調の種類や位置と断熱工法の使い方が快適性をつくり出すのです。
 強力な冷暖房と低断熱、低気密の場合は他からの空気の移動が多くなり、
室内温度にばらつきが生じます。
 弱い冷暖房と高断熱、高気密の場合には、他からの空気の流入が押さえられ、
室内温度の差が少なくなるのです。
 必要以外の空気を動かさずに、弱い空調で家全体の温度を低めに押さえることが、
部分的に温度差が出来るてしまう場所がありますので、部分的に不快になる人が、
 「外断熱スパイラルエアーシステム住宅」は、快適空間を提供するために、
考え出された住宅のトータルシステムです。
 金融公庫の省エネルギー(次世代型)以上の高断熱性能と高気密性能を有し、
独自の換気システムで、快適空間を創出しているのです。
 つまり、どの季節においても、空調してもしなくても良いのです。
 住まいのオーナーが気ままに、窓をあけたり、クーラーを付けたりして、
 快適だと感じる室内環境にします。
ゆっくりと壁の中を室内の空気で包み込み、壁より室内の温度を安定させつつ、
屋根の棟部の換気扇から排気する方式なのです。
 壁の中から温度を安定させる工法のため、部屋の温度差が小さいのです。
 壁より輻射熱的な方法で室内の温度環境を維持するため、
室内でも、家の各室にも温度差が出来にくいのです。
 ちなみに、T邸のデーターが出てきましたのでお見せ致します。
7月21日14時:居間29℃床下27℃・20時:居間27℃床下26℃/空調有/高33.2/低27
7月22日14時:居間30℃床下27℃・20時:居間29℃床下27℃/無/高33.3/低27.3
7月23日14時:居間28℃床下27℃・20時:居間28℃床下27℃/無/高33.6/低26.6
7月24日14時:居間28℃床下27℃・20時:居間28℃床下27℃/無/高31.6/低24.6
7月25日14時:居間27℃床下26℃・20時:居間28℃床下27℃/無/高27.2/低23.9
7月26日14時:居間29℃床下27℃・20時:居間28℃床下27℃/無/高33.9/低26.5
7月27日14時:居間29℃床下27℃・20時:居間28℃床下27℃/空調有/高34.5/低26.9
 上記の結果が得られています。
居間:居間の室内温度、床下:ベタ基礎部分の空気温度、空調有:クーラー使用、
無:クーラー未使用、高:最高気温(東京)、低:最低気温(東京)を現しています。
 このデーターから見ても、床下の温度が26℃〜27℃と安定しているため、
室内温度も時間によらず27℃〜30度℃と安定した温度を示しています。
 クーラーを入れてもほとんど関係ないぐらいの室温です。
 実際には、湿度が下がるためクーラーを来客時などに使用しているのです。
 オーナーは「普段はほとんどクーラーを使う必要を感じない」との感想でした。
 また、「夜も全くクーラーを使用せずに寝ていますが、床が冷たい感じで、
涼し過ぎるぐらい」の状況だそうです。
 室内の温度差も1回のみですが測定しました。
 その結果は以下です。
居間 床上5p:温度27.3℃、湿度64%
居間 天井下10p:温度26.4℃、湿度68%
吹抜2階床上150p:温度28.1℃、湿度70%
屋外:気温28.8℃、湿度82%
 この日は、弱く空調を使用していました。
 データーは以上ですが、室内の温度差がほとんど無く、
室内の温度が安定しているので、湿度を少なくする弱い空調で、
暑くなく過ごせるのです。
 実際に、残工事のため床下にもぐった職人は、
「普通は蒸し暑くて今の時期床下にもぐるのは嫌なのですが、
T邸は床下が涼しく、気分良く仕事進められました。」と話していました。
 以上のように、高気密と高断熱が室温の安定に貢献し、
室内の快適性を創り出しているのです。

 「外断熱スパイラルエアーシステム住宅」のページです。 apssのhpに載せて置きました。 http://www.bekkoame.ne.jp/ro/apssk/kennkou/kennkou1.html

 今回は以上です。

ありがとうございました。


apss設計までをお願いします。

 前頁   スケッチ 目次  次頁