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◆ 健康と住まい−17 ◆◆◆
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◆◆◆◆ present by apssk
朽木 醒(くちき あきら)と申します。
健康と住まいの17回目になりました。
17・「2つの設計をした建て主−3」
さらに続き3回目です。
前2回で、希なケースで設計を引き受けることになった経過を書きましたが、
施工会社に直接頼んだ場合の設計に対する考え方と、
設計事務所が直接引受けた場合の設計方針との違いが、
ある程度理解して頂けたと思います。
外断熱スパイラルエアーシステム住宅の施工状況をUPしました。
下記をご覧下さい。
apssのhpに載せて置きました。
http://www.bekkoame.ne.jp/ro/apssk/takmo/spiral00.html
前回、お見せしたプランで詳細設計を進め始めていた段階で、
外断熱スパイラルエアーシステム住宅の話を、建て主にしたのです。
外断熱スパイラルエアーシステム住宅の場合、外断熱材、サッシュに取り付ける
ペアーガラス、換気装置を変更する必要があり、その費用は全体で1割程度の
UPとなります。
この10%が高いか安いかは価値判断の基準に因りますが、
省エネ(エコロジー)になることは確かです。
そのような観点から、この外断熱スパイラルエアーシステム住宅に関しても、
建て主は費用のUP以上の価値があると考えて、気持ちよくOKしてくれました。
省エネの観点から考えても、年間10万円程度の電気、ガスの節約になるとして、
20年で200万円程度の節約となり、この時点で、このシステムにしなかった場合と
同程度の経済効果になると思います。
暖房機や空調機が少なくて済むことを考えればより効果があると考えられます。
したがいまして、20年以上経つと、実際に環境にも貢献することになります。
また、この外断熱スパイラルエアーシステム住宅の場合、基礎の断熱部分の、
断熱材をステコンとモルタルで塗り込め、シロアリに対処していますし、
壁の中に室内の空気を廻すことによって、グラスウールを充填した断熱工法のように、
構造体部分に空気の動かない部分を造らず、土台や柱、梁、間柱まで、
常に動いている換気空気と接触している為、木材部分が長持ちすることになります。
今までの住宅は、壁の中で空気が動かない部分をつくりだし、
その部分に結露が起こり、木材が湿気を帯び、カビやシロアリの温床となり、
耐久性を短くしてきたのです。
壁内の空気を動かすようにすること、そして床下換気口のような、
外気と室内の空気が混じり合う場所を造らないことが、
建物を長く持たせるための本来の考え方です。
古い寺院や神社等の、床下の考え方は、外気と同じ空気が動くように建てられており、
床下が高く風通しが良くなっています。
この床下の風通しで、構造部分が長い年月を耐えて来たのですが、
これらの古い建物と考え方は同じで、構造体が、
常に動く空気に接触して呼吸が出来る状態にし、構造体の耐久性を、
高めるようにしているのが、スパイラルエアーシステム住宅なのです。
人間は一度楽をすると昔の環境には、なかなか戻れません。
住まいの環境を良くすると外部環境と大きな温度差が生じてきます。
この温度差を断熱材で和らげて、室内環境を守るのですが、
現在の住宅の工法では、断熱材が空気の流れを妨げて、
結局耐久性を短くする工法が多いのです。
外断熱にすると、明確に内部と外部が分けられます。
断熱材までは外部で、構造体からは内部だと考えると、
スパイラルエアーシステムが壁の中に室内の空気を送り込み、
室内を包み込む2次空調方式で室内環境を保護し、
さらに室内扱いの構造体の温度変化も少なくし、
膨張収縮による耐久性の劣化も少なくしているです。
空気の流れと、温度変化の少なさが建物の耐久性を増し、
長い耐久性を持つ住まいであることが、地球の環境にも貢献することになります。
今まで、断熱材にしろ、床下にしろ、非常に中途半端な考え方で造られて来ました。
断熱材は壁の中に充填して一見隙間を活用して、効率良く建てたようですが、
充填材は隙間だらけでした。
現実にはこの隙間があることが、空気の流れをわずかながらでもつくりだし、
住宅の劣化をある程度救っていたのですが、空調の効きが悪いので、
隙間を無くすように断熱材を壁の隙間まで詰め込んだ結果、
今度は構造体に傷みが来るようになったのです。
室内と室外を明確に区分せず曖昧にまま、対処療法で、
室内環境だけを考えた結果が構造体の耐久性に問題を起こしたのです。
床下ににしても同様です。室内側か屋外かをハッキリさせず、中途半端な考え方で、
基礎を考えて来たのです。
床下換気口を大きくし、床下通気を取るように考えましたが、
基礎の構造的な問題(床下換気口を大きくすると基礎は弱くなる、
費用をかければ別です)が出ますし、
狭くして換気量が少なくなると湿気が問題になります。
床下は外壁や小屋よりもっと中途半端な工法が多く、外断熱工法でも、
中途半端に開けておく工法が多く、少し進んだ工法でも、
床下換気口を夏は開放し冬は閉める等の手間をかけて対処しているのが現状です。
今回の外断熱スパイラルエアーシステム住宅は、明快に屋外と室内を区別出来ます。
断熱材までが屋外、構造体からは室内と考えることが可能であり、
実際にもそのための働きするのです。
したがって、断熱、空調、換気方式も明快に区別することが出来、
必要な材料とシステムを十分に生かすことが可能なのです。
今回はシステムの説明になってしまいましたが、
何事も明快な考え方によって仕事をすることが、仕事を上手くこなす方法です。
中途半端は何事でも問題を作り出します。
住まい造りの工法に関しても同様のことが言えます。
明快でシンプルな考え方に基づいて、造られた住まいは住みやすく、
問題も起きにくくなります。
今回は以上です。
ありがとうございました。
apss設計までをお願いします。