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◆ 健康と住まいのQ&A−14 ◆◆◆
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◆◆◆◆ present by apssk
朽木 醒(くちき あきら)と申します。
健康と住まいの14回目になりました。
14・「健康住宅の考え方」
災いは忘れた頃にやってくる。情報は気にしていなけりゃただのゴミ。
たまに送られてくる情報は、個人の状況によりヒットするかもしれません。
忘れた頃に送られてくる情報だから可能性があると信じて、
久方ぶりの配信です。
さて、「健康住宅」と言う言葉の原点に立ち戻って、
健康住宅とはどのような「住まい」を言うのかを考えて見たいと思います。
一般的には健康住宅の定義は無いに等しいと思います。
それでは、健康に良い住宅とは何かと考えますと、今まで私が書いてきた外断熱の住宅は
人によっては、外に出たく無くなるような住宅になってしまうかもしれません。本当に万人向けの健康住宅かどうか疑わしくなります。
なぜならば、室内にこもりきって生活することが健康的かどうか考えてしまう問題です。
実際には健康住宅と考えながら、不健康を招き寄せている可能性のある住宅が、
結構あることは、皆さんもお気づきだと思います。
それでは、風通しの良い住宅ならば健康なのかと考えると、
これも否と言わざるを得ません。
要するに、健康は人によって千差万別、多種多様と考えなければならないのです。
医者は患者の病気がそれぞれ違うと考えて、病気を判断しています。
具体的に考えると、熱があるだけの場合、熱と咳がある場合、熱と腹痛がある場合、等々色々の症状が有りますが、
熱があることは同じです。 熱以外に合併した症状がある場合、合併した症状と合わせて、
病気を考え、それぞれの人に合わせた、処置や薬を処方します。
それでは、住宅の場合はどうでしょうか、健康住宅との謳い文句を鵜呑みにして、
メーカーや工務店に頼んではいないでしょうか?
住宅の場合、地域的な特性、敷地の状況、方位など外部的影響を最初に考慮する必要があります。
次ぎに住宅自身を考えなければなりませんが、まず住人の状況を把握する必要があります。
埃やダニに弱い人、アレルギーのある人、化学物質に弱い人、風邪をひきやすい人、
閉所恐怖症の人、暑がりの人、寒がりの人、等々並べてみればきりがありません。
これらの人々を、ひっくるめて健康住宅と言う住まいが有るのかどうか、
よく考えてみて戴きたいと思います。
ここで、解りやすいように、去年から任意の法律として導入された、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(一般に謂う:「品確法」)
の場合の、健康住宅に関係する項目を拾ってみます。
D温熱環境に関する住宅性能表示基準
D-1省エネルギー等級
等級4
等級3
等級2
等級1
D温熱環境に関する住宅性能表示基準について
住宅室内が快適にすごせるためには冷暖房が不可欠になっていますが、この冷暖房のエネルギーを少なくするための断熱材の設置や断熱サッシュを取り付ける措置を評価します。
木造戸建てで住宅金融公庫の省エネルギータイプの仕様が等級4と同等で、同割り増し融資基準の省エネルギー住宅次世代型が等級5に相当します。評価対象部分は断熱材と気密化の仕様の他に断熱サッシュの使用や日射の遮蔽等の対策が検討されます。
E空気環境に関する住宅性能表示基準
E-1ホルムアルデヒド対策
室内の内装材等からのホルムアルデヒドの放散量を少なくする対策(現在のところ特定木質建材「パーティクルボード、MDF、合板、構造用合板、複合フローリング、集成材、単板積層材等」を使用する場合に適用):ホルムアルデヒドの放散量の少なさの等級
等級4
等級3
等級2
等級1
E-2全般換気対策
住宅全体で必要な換気が確保出来る対策:「常時計画機械換気」、「常時計画自然換気」、「その他」の対策のいずれかを明示
E-3局所換気対策
換気上重要な特定の部屋の換気方法:「機械換気設備」、「換気の出来る窓」、「なし」の方法のいずれかを明示
E空気環境に関する住宅性能表示基準について
住宅の室内環境は日常生活で発生する埃や水蒸気、二酸化炭素、殺虫剤等の化学物質、建築材料や家具等から発生する化学物質等で悪化する傾向にあります。
化学物質の中には生活者が直接被害に遭う物質や、次世代に影響が出る物質もあります。
しかし、室内の空気に微量に含まれる化学物質の濃度は、温度、湿度、気流、気密性建材の種類、家具、殺虫剤、防腐剤等多用な要素に影響されるため、住宅の設計段階で予測することは極めて困難な状態です。
このため、空気環境に関
F光・視環境に関する住宅性能表示基準
表示の項目及び方法(等級など)
項目等級等の内容
F-1単純開口率
居室の窓等開口部の面積の床面積に対する割合の大きさ(○○%)
F-2方位別開口比
東西南及び天上の各方位について(○○%)
F光・視環境に関する住宅性能表示基準について
住宅室内での生活では明るさや日照を確保することは、住宅設計上から必要なことです。
建築基準法では最低限の開口部の確保を義務付ていますが、日照をも考えに入れた、方位別の評価を単純開口率と同時に取り入れたのが、光・視環境の評価方法です。
G高齢者への配慮に関する住宅性能表示基準
G-1高齢者等配慮対策等級
住戸内における身体弱化に対する配慮のため必要な対策の程度
等級5
等級4
等級3
等級2
等級1
G高齢者への配慮に関する住宅性能表示基準について
加齢、病気、怪我等によって身体機能が低下した場合、日常生活の動作が負担になったり、転倒などで事故を招く場合もあります。車椅子の使用や介護者が必要になった時は、スペースが広く必要になります。あらかじめ住宅の部屋の配置、廊下の広さなどの配慮をすることが有効な対策です。
高齢者などに配慮した工夫は、必要になったとき簡単な工事で対応出来るものもありますが、廊下の幅や部屋の広さなど、変更するのに改修工事が必要になる部分もあります。
したがって、新
これだけの、多くの項目に関連しているのが、健康住宅なのです。
このうち、どの項目のどの等級が自分の住まいに合っているのか簡単に判断することが出来るでしょうか?
一寸無理な要求だと思います。この他に、最初に書いた敷地の特性が有ります。
健康住宅と言うのは、非常に複雑な要素から、自分に合った項目、家族に合った項目を、
一つづつ選択していかなければならない作業なのです。
従って、経験を積んだ経験者や専門家の力を借りて判断するのが一番ベターな選択です。
ここに、建て主本人が十二分に参加し、専門家と共同作業で設計に携わらなければいけないと言うのがお解りになると思います。
少しは、品確法との関連の内容を説明しなければいけないと思いますが、
この説明については、次回以降に廻したいと思います。
今回は以上です。
ありがとうございました。
apss設計までをお願いします。