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◆ 健康と住まいのQ&A−11 ◆◆◆
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◆◆◆◆ present by apssk
朽木 醒(くちき あきら)と申します。
健康と住まいの11回目になりました。
発行部数
11・「外断熱・スパイラルエアー換気システムに至った経緯」
11・「外断熱・スパイラルエアー換気システムに至った経緯」
住まいの空間が外部空間か内部空間かの所属時期から考えていきます。
戦前までは日本の家屋は屋内、屋外共に屋外の空気にさらされていました。
桂離宮などが一番分かり易い例です。
地盤が平らでなく高さの違いを床下の束の長さで調節していました。
小屋裏(天井裏)も、2800mmから4500mmもあり、
室内の空間に比べて相当大きな空間が付属していました。
床下には基礎のコンクリートはなく人が這って入ることができました。
小屋裏も瓦や茅葺きなどの材料は屋根勾配が必要なこともあり、
高い小屋空間が造られ、広々として屋根裏が作業室となっている住まいもありました。
建物の外周に壁はありますが、すきま風と言うより風道が家の中を通っているとの
感じがしており、ストーブや囲炉裏、火鉢等の暖房は熱のあたっている部分
のみが暖かく、他の部分は服によって温度の調節が必要でした。
もちろん夏のクーラーなどありませんから、風道の家は夏には木陰と冷風を提供し、
人々を自然から守るシェルターとしての役目もしていたのです。
当時は、住宅内部が床下、小屋裏、壁に至るまで外部の空気と接触し、
ちょっとコーヒーブレーク、一休みして下さい。
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時代が下がって戦後になってもバラック建ての住宅は、外部空気に満たされた
住まいでした。
住宅金融公庫の仕様が出来始め断熱材を使い始め、アルミサッシュを使い出した
時期になってきて、室内の空気と屋外の空気に差がでてきました。
この時期でも、クーラーを付ける住まいは希で、冬の暖房によって以前の
建物との違いが判るようになってきたのです。
冬の暖房時の室内空気は湿度が60%程度(関東)で、温度が25度前後でした。
外気は5度前後で、室内と屋外の空気の混じり合った場所は10度以上の
温度の変化が起こり、湿度は100%をゆうに超えて結露を起こすことになります。
主に冬場のことでしたので、それほど大きな繁殖には至らなかったのです。
ここ20〜30年前からのカビ、ダニ、腐朽菌の繁殖は、
夏場の風通しの悪い部分と、布基礎で風通しが悪くなった床下でした。
戦後床下は布基礎に転換して換気口が義務付られましたが、
それまでの住宅は、桂離宮ほど床下は高くはありませんでしたが、
基礎など無く、束石の上に柱が直に載っていたので風が吹き抜けていました。
布基礎を用いるようになってから、通気が少なくなり、
床下の地面からの湿気や低温のため、夏の湿度の高い空気が結露して
その後、断熱化や気密化が進みましたが、室内の空気と屋外の空気が
混じり合う場所が逆に増え出したのです。
床下は依然として内外の空気の混じり合う場所として存在していましたし、
壁の中もグラスウール等の断熱材を中途半端に使用したため、内外の空気の
混じり合う場所になってしまいました。
中途半端断熱材の設置や照明やスイッチなどの隙間を断熱材がうめきれず、
結局結露が発生するような場所になってしまったのです。
ここ4,5年前から、高気密高断熱とのかけ声で、室内の空気を逃がさなければ
結露は起こらないとの考えから、計画換気も取り入れて、空調に対応した住宅が
出来てきました。
以前に比べれば、数段の進歩ですが、気密性にこだわりすぎ、一部屋ずつを確実に
高気密にし、断熱は家全体で考えるとの高気密高断熱住宅が出来上がったのです。
この方式は室内の空気をほぼコントロールして計画的に換気する計画換気方式と
言われ、確かに室内の空気と、屋外の空気が混じり合う部分がかなり減り、空調や
省エネには大いに貢献しています。
しかし、部屋単位で気密をし、家単位で断熱をする方式は、
やはり今までの延長線上で考えられた高気密、高断熱空調方式であり、
間仕切り壁は気密はするが断熱はしない、各室の出入口の扉も気密性が必要な為
部屋の扉の種類が限定される。
床下収納や屋根裏部屋の気密や断熱を省くことが多く、この部分の気密性断熱性が
疑問等があり、相変わらず室内と屋外の空気の混じる部分が多いことです。
室内と屋外とをどこで区切るかを明快にしないと室内と屋外の空気の混じる部分
は無くならないのです。
建物の躯体(構造部分)の外に室内と屋外とを区切る境界を持っていって、
壁内、床下、小屋裏までも室内扱いにしないと、中途半端になり、明快な区別が
出来ませんし、施工的に考えても個別に部屋毎に気密にするより、断熱材と同様に
家ごと気密化した方が確実に出来ることは当然のことです。
家全体を気密にするのであれば、断熱も躯体や間柱、筋交い等で断熱材が
分断される、従来型の壁の内部で断熱する内断熱より、躯体の外側で断熱する
「外断熱」の方がはるかに工事もし易く、効果も高いことが解ると思います。
この外から家全体をくるむ方式の断熱方式が「外断熱」と呼ばれる断熱方式です。
外断熱方式で空いた壁内部の空気を回転させて動かし、壁の中の構造体を
動く空気に触れさせながら、室内の空気を家全体に流し、2次空調としての役割も
果たさせて換気をする、風の流れを使った換気方式にたどり着いたのが
空調を日常的に使う住宅は、室内空気を構造体にまで流してやり、室内空気により
すきま風や、風の道を造ることでしか家を快適に、健康的に、高耐久性にすることは
出来ません。
カビ、ダニ、細菌、等の繁殖を招きかねないからです。
以上のように、現代の空調住宅を前提にした場合、
「必然的に外断熱、高気密、高断熱、スパイラルエアー換気システム」が
導き出される理由がお解り戴けると思います。
今回は以上です。
次回こそは家族関係と住まいの空間についての予定です。
ありがとうございました。
apss設計までをお願いします。