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◆ 健康と住まいのQ&A−06 ◆◆◆
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◆◆◆◆ present by apssk
朽木 醒(くちき あきら)と申します。
健康と住まいの6回目になりました。
発行部数
06・住まいとの関わりとしての科学物質−2
最初におことわりをしておきます。今回から4回程度日経PBイエナビストの宣伝が
入ります。
たまたまこのMLも紹介していただけるとのことなので、中程に掲載致します。
情報としてもある程度の価値を認めてくれているようです。
換気の続きとなります。
以前アメリカにおいて、シックビル症候群との病気が流行りました。その原因は、
オイルショックの影響でエネルギーを減らす対策として換気量を、それまでの1/3に
減らしたのです。この換気量の激減がシックビルを発生させたと言われ、換気量は数年
で元の換気量に戻され、あまり騒がれなくなりました。
換気量の変化だけで、人体に影響が現れる実験を行ったと言えるのです。
このように、換気量に因って化学物質やダニ、カビ、タバコなどの害は大きく変化
するのです。日本でシックビルの発生が見あたらないのは、オイルショックの時も換気
量をアメリカのように減らす方策を採らなかったからです。
仕上げ材は住宅の仕上げ材とほとんど変わりません。かえって隙間風のない閉じ
られた空間に半日以上生活している人達が体の変調をあまり訴えてこないのは、空調に
換気機能を付加したシステムを取り入れ、タバコの煙の浄化もあり、必要換気量が多め
に設定されているからです。
住宅ではこの必要換気量との考え方が無く、厨房や浴室、トイレの換気は必要ですが
寝室や居間、食堂などは必要換気量の考え方がありません。高気密、高断熱住宅が増え、
すきま風がほとんど無くなってきた住宅は、過去のアメリカのオフィスと同様に、換気
量不足からシックハウスやアトピー性皮膚炎、喘息等を起こしやすい状況になっています。
したがって、換気量を確保する必要が住宅にも生じてきたのです。
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それでは、どの程度の換気量が必要かと言いますと、住まいの状態により大きな幅が
ありますが目安としての数字を上げておきます。
タバコとの関連が強いのでタバコの吸う量によって違います。
ほとんどタバコを吸わない場合25m3/人・h程度
良くタバコを吸う場合 50m3/人・h程度
住宅の部屋でも寝室、居間、食堂等によりまた、開放的住居、閉鎖的住居によって
異なりますが、上記を目安にして換気量を設定する必要があります。
自然換気にしろ、機械換気にしろ上記の換気量の確保をすることがまずシックハウスに
しないための前提条件です。
4人の家族でほとんどタバコを吸わなければ、100m3/hです。この換気量は、
どの位かと言いますと、
浴室やトイレの換気扇 60〜80m3/h程度
台所のレンジフードや換気扇 300〜700m3/h程度
サッシュの気密性(すきま風)サッシュ1u当
(内外の圧力差によって大きく変わります)
古いタイプのサッシュ 30〜300m3/h
一般サッシュ 8〜80m3/h
高気密用サッシュ2〜20m3/h
等です。
旧省エネルギー住宅と新しい高気密高断熱住宅の実験的換気回数は
旧省エネルギー住宅 1〜2回/h程度
高気密高断熱住宅 0.1〜0.3回/h
程度の大きな差が生じています。
4LDK程度の住宅で自然換気の量を簡単な例として計算してみますと。
旧省エネルギー住宅 6000m3/日程度
高気密高断熱住宅 1500m3/日程度
であり、先の4人家族の最低1日必要換気量は2500m3/日程度
ですから、1日当たり1000m3は不足していることになります。
最低でもこの1000m3を高気密高断熱住宅は、
機械換気や他の換気で補う必要があります。
自然換気回数で比べると高気密高断熱住宅は旧省エネルギー住宅の約1/10で
いかに高気密高断熱住宅が熱を逃がさない住宅であるか解ると思いますが
一方で、化学物質やダニ、カビ、細菌などによる危険が潜んでいる住宅でもあります。
何にでも、良い面と悪い面があります。両方を理解しどの様に取り入れるかは、
使用する人によります。
メーカー等建築関係者は良いことしか言わない傾向が強く、問題点は自分で把握して
それをぶつけ解決しなければ、なかなか良い方向に進みません。
アメリカで自宅を売りに出す光景を映画などで良く見かけますが、メンテナンスは
当然ですが、自分で住み暮らし害毒が無いかの実証もしていると言えます。
問題のある家は価格が下がったり、下手をすると売れなくなるのです。資産価値が
綺麗や便利だけではなく、安全性も重要な要素となっています。
日本の場合その土地の便利さだけが資産価値の主な要素です。安全な家は中古が良い
との観点に立った資産価値も十分に通用すると思うのですが、
一般的にはまだ先のようです。
次回は住まいとの関わりとしての化学物質−3(換気続編3)の予定です。
ありがとうございました。
apss設計までをお願いします。